ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2012.11

11月。

もう終わっちゃうよ!2012年がさ。どんな年になるか。何かが残るか。ここからが大事な局面に入るんだ。噛みしめて生きてくぜ。


AIR JAM、スペースシャワーTVで放送します。今回は、そう、あの時間を。11月18日の21時からです。


奈良。2年ぶり。今回も鬼タモリ氏にお世話になった。しかも今回は彼の主宰するWHEELS OF STEELというレコード屋さんの10周年。このご時世、
NYCでも日本でもどんどんレコード屋の居場所がなくなってきてる。そんな中での10周年。めでたい。そしてそんな節目に呼んでくれてありがたい。
しかもこの日は関西中から才能が集合しまくり。JAB×HI-KING、NAGAN SERVER、BONG BROS、PUNCH&MIGHTY&EVISBEATS。誰も誰とも
似ていないオリジナルな、可能性に溢れる音楽家と出会えて、同じ場所で音を出せて光栄でした。皆、顔見知りもいて終始和やか。しかしステージ上は
戦場でした。この日も簡単ではない険しいヤマでした。お客との心の距離、近づいたり離れたり、できるだけ多くのお客と辿り着くための言葉、それは
時に辛辣、時に不器用なものであったかもしれない。しかしあれが俺。あれがTHA BLUE HERB。最後までそこにいてくれてありがとうございました。
でも実際、気持ちが消耗して擦り減ってた。でも俺等の後のいい時間で救われました。同じ音楽を愛する者として、この曲をスルーする事はできない。


大阪。昼過ぎに奈良を出て一路西へ。以前から知ってはいたけど中々タイミングが合わなかったパーティー、渚。今年は俺等自身、何つーか自分等への
挑戦こそがオファーの条件って感じで、今まで足を踏み入れた事がなかった場所にも思い切って出て行ってる。それは例えば、先月のAIR JAMも然り。
そこで今まで自信を持ってぶちかましてきた自分等の表現ってやつがどこまで通用するのか、しないのか、通用させるには自分等のスタイルを曲げずに
どうアプローチしていけば良いのか、色々悩みは尽きないけど、自分等目当てだけの場所でしか調子コケないようじゃダメっしょ。そう強気で言っても
実際はどうなるのか全く分からない。で、本番。そんなこっちの心配も全くどこ吹く風って感じで最高に盛り上がってくれました。最初から最後まで、
ずっと突き抜けまくってるお客、ハンパなかったです。最後までそこにいてくれてありがとうございました。勇気を出して踏み出して良かったっす。
音楽に垣根はないと改めて実感させられました。勝手に色んなイメージを作っちゃうとせっかくの楽しみを自分で出会う前に遠ざけてる事にもなるね。


東京。一時期、ちょうどPHASE 2の頃、たまたま縁があってよくライブやらせてもらっていた名門、新宿ロフトに久々の帰還でした。最後にやったのは
2004年の12月。DVD「THAT'S THE WAY HOPE GOES」にも映ってる。それ以来、8年ぶりとなる出演でした。しかもこの日はソウル・フラワー・
ユニオン(SFU)とのツーマン。これがどんだけヤバいか解る人は解る。解んない人もあの夜、解ってくれたと思う。俺自身、ただ歳とってるだけで、
無条件に先輩って感じで奉ったりなんてしたくねえタチなんだけど、あの人等は別だ。実際ばっちり経験を積んで、尚かつ今もマジでスゲエ人ってのは
いる。悔しいけどしょうがない。本物。札幌の先輩もそうだけど、そこ正直に認める気持ちが自分の中にある事自体が喜び。俺にとってはそんな存在。
当然、俺等が先攻。無論、がっつりぶつかっていった。いつものお客も、初見のお客も、SFU目当てのお客も関係ない。そんな事に一々惑っていては
突き抜けられない。ただ正直に思う事をラップさせてもらいました。当たって粉々に砕けてもSFUが骨を拾ってくれる。結果、あのエンディング!8年
ぶりでしたが1番輝いてた。最後までそこにいてくれてありがとうございました。ステージを降り、ダンスフロアーに出ていく。余裕すら感じさせる
絶妙な空気を作り踊らせてくれたSFU。あれぞ円熟。流石。純粋に楽しかった。同じ時代に生きられて、こうして知り合えて同じ場所で音を鳴らせて、
今まで続けてきて良かったと思える夜がまたあった。精進続けます。上野君、ありがとう。写真、ライブがSUSIE、バックステージがHayachiNです。


沖縄。今年2回目。今回は盟友1945のKURANAKA主催の野外パーティー。ずっと前からKURANAKAは話してた。でも実際にそれを動かし、設営し、
人を集め、音を出す。これは並大抵の胆力じゃできねえ。相変わらず凄い男だ。誘ってもらって光栄でした。台風がすぐ近くに来てて、中止の心配が
あったけど、まさかの間近で停滞、開催!俺等が現場に着いたのは本番40分前。小雨混じりの中、風も強かった。でもDRY&HEAVYの重低音にお客の
影が揺れてる。道は前にしかねえ。よっしゃやるか。本番、徐々に強くなる雨、風。それでも目の前で聴いてくれているお客。こりゃ俺だけ屋根のある
とこには引っ込めねえって感じでステージ最前で雨を全身に浴びまくりの75分。長いラッパー人生で最も過酷な天気でした。汗と雨、寒さで震えてた。
最後までそこにいてくれてありがとうございました。皆がそこに、底にいてくれたから最後まで行けました。シリアス極まってる沖縄の現状に対する
俺の意見をも、無論、人それぞれ意見がある中、あの雨と風の中、聞き入れてくれた皆の懐の深さのおかげです。あれから1日あの場にいて、ステージで
言った「沖縄から聴こえてくる音楽を楽しみにしてます。」に呼応するかのようにステージから聴こえてくる沖縄のラッパーやレゲエミュージシャンの
音楽、沢山知れました。しかもどれも素晴らしく、自分の無知を恥じる時もあった位です。翌日の昼にやらせてもらったCALMさんとの1曲交代のDJも
楽しかった。お付き合いありがとう。そしてその後から最後のKURANAKAまでの時間、音楽、天気、どこ切っても最高だったね。道は遠かったけれど、
本当に来て良かったなあと何度も思えました。沢山の人と乾杯して、話して、寝転がって、踊って、握手して、また乾杯して、ずっと楽しかったです。
KURANAKA、スタッフさん、御苦労さんでした。そしてありがとう。そして沖縄、話したい事はまだまだあったがすっかり秋の札幌に帰ってきたよ。
紅葉が始まった札幌でも、想えばすぐに、太陽の眩しさと愛する友人達の笑顔が目に浮かぶよ。うちなーんちゅ、やまとんちゅ、アメリカ人、ハーフ、
クオーター、ブラジル人、韓国人。皆、親切で、温和で、そしてどこか立ち入れない影を忍ばせて。皆の幸せと安らぎを願ってる。いつもありがとう。


鳥取。3年ぶり5回目。いつもの顔ぶれに会えるのを楽しみにしていた。羽田乗換えで着陸。遠いな。着いた頃にはもう真っ暗。5回も行ってんのにまだ
砂丘には行った事がないので行こうと決めてたのに真っ暗じゃな。中止。そのまま箱へ。店の名前はこの数年で4回変わったらしいけれど、初めて来た
時と同じ箱でした。スピーカーを追加で入れてくれてたり、内装をデコレーションしてたり、鳥取の仲間の気持ちが伝わってきた。リハも入念に。久々
だからな。今の俺等のライブをたっぷり味わってもらうんだ。この日は90分。それだけあれば行くとこ行ける。飯は近海の幸。初めて来た時の事とか
鳥取の仲間とワイワイ話して良い時間だった。で、本番。俺等の前にやってた地元の音楽家のライブにも随分アゲられた。そこからの90分。最後まで
そこにいてくれてありがとうございました。気づけば心、近くなってたね。俺にはそう感じましたよ。終わってからの酒も旨かった。DJ陣もヤバいのは
とっくに知ってる奴等ばかり。聴いてもよし、話してもよしな空間でした。鳥取の仲間、お陰さんで楽しかったです。また次の機会は砂丘に行こう!


京都。3ヶ月ぶりに帰ってきた。ボロフェスタ。この何年間、何度も誘われてたんだけど遂にタイミングが合った。沢山のユニークな音楽家が集まる一大
イベント。その日ヒップホップは俺等だけ。いくら第2の故郷京都とはいえある意味アウェイ。でも、そこにこそマジックは起こりうるって事は今年は
何度も体験してる。出番は19:30。45分1本勝負。PAのサニーさん、照明の畠中さんも来てくれてる。会場中自由な雰囲気。解放区だったね。本番は
一瞬でした。でも濃度がみっちり詰まった瞬間の連続だった。前方で終始アゲまくってくれた皆に感謝。そして後ろも横も、最後までそこにいてくれて
ありがとうございました。初対面の人達、普段は交わりにくい人達、分け隔てなく最後は皆、1つになってたと、こっちは勝手に思っております。初参戦
でしたが最高に楽しかった!スタッフの皆さん、お世話になりました。で、終演後は龍門行って、ポン行って、いつもの京都を大満喫。狂都の馴染みの
顔役達との大馬鹿爆笑話。TAKUMAやTOSHI-LOWも来ちゃってもうハッチャメチャ。最後の方は記憶ないっすわ。迷惑かけた人いたらゴメンナサイ。


11月も東北から九州まで。どこも久々に会う街ばかり。楽しもう!

ILL-B