ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2016.03

3月。
今年もこの季節がやってきた。東北の皆、福島の皆、元気にやってるかな。宮古、大船渡、石巻、しばらくライブ行ってないな。こっちで新聞やニュースで
色々と見聞きするけど、実際にそこでしか感じられない事があるからね。っていうかそれが現実だ。あの東北の東海岸3ヶ所を巡ったツアーで出会った人達、
仙台や登米やいわきや福島や郡山のライブで会った人達、それぞれの地元で俺等の音楽を聴いてくれている人達、故郷を離れ暮らしてる人達、全ての頑張ってる
人達、皆の心の平安を祈ってる。全てが元に戻る事はないかもしれないし、失ったものの代わりは簡単には見つからないかもしれない、音楽ではその一時しか
皆の生に関われない。等しく1つの命という、生まれた時に与えられた限界を宿命に生きていくしかない俺等。それでも、俺等は今、繋がっていると信じて、
祈りをここから投げかけ続けるよ。

3月12日は福島県郡山でライブです。初めて行った時、終わった後に地元の仲間と呑みながら「今度は3.11の近辺にやろう」って話し、上がって、そこから
実現した夜です。大切な日だし、皆もそれぞれ想う事があるのを承知でお邪魔します。その日の世界の中心の1つでがっつり鳴らすので、是非来てください。

今月は厚木、横浜、熊谷、山形、宇都宮、東京渋谷、松本にも行きます。どこも興味深いメンツが揃ってます。公式twitterでも詳細を随時告知しております。


ニューエラ製のTHA BLUE HERBの漢字ロゴのキャップ、迷彩色ヴァージョン、4月4日から当Webの通販サイトで発売開始です。黒も若干数、再発売します。
tha BOSS客演集「BORDERS」(CD : MIXED BY DJ HIKARU)もラストストック販売します。こちらはステッカーを通販特典として付けます。予告はこちら。


ここからはライブレポート。

苫小牧。2年ぶり4回目。この街には良いクラブがあるのです。札幌から近いけれど、ここにはここの歴史が積み重なりつつある。俺自身、ラッパーとして行く
事もあるけれど、色々な虚栄を落として独りのダンサーとしても何度も行っている。この夜はPAを帯同していないのでマイクチェックもDYEがやってくれた。
結構手こずったが、これ以上はないという所までやって、飯、からの本番。地元は無論、札幌や近郊からも沢山来てくれた。今年初のライブ。生々しさ全開の
北の氷点下で鳴らすヒップホップになったね。音やマイクのコンディション的には、中々厳しいヤマだったけど、そこはマンパワーと、上げ続けてくれた皆の
おかげでばっちり最後まで辿り着けました。ありがとうございました。外は極寒だったけど中は暖かい時間が続いてたね。サダ、ROOTSの皆、ありがとう!

鳥取。1年半ぶり7回目。最近は米子や山の中のフェスでのライブが続いていたから、鳥取市の街中でやるのは久々だったね。しかも、ちょうど12年前の同じ
週に俺等は鳥取に初上陸したんだ。あれから干支一周。そりゃ変わったものもあちこちにある。俺自身も俺等も、この国や世界の仕組みも、仲間の生活だって
全ては流転していく。でも、きっと変わっていない事が俺等と鳥取の間にはある。それを言い当てに行くんだ。顔ぶれもいつもの面々に加え、20歳のラッパー
まで、世代を超えて沢山集まった。初めて俺等のライブを観るという人も、出演者、お客、共に多いはずだ。でもね、始めてみたら、結局俺等は、底で、そこ
から見える未来を確かめあっていた。あの場も過程でしかなかった。俺等の旅はまだまだ続く。お楽しみはこれからだ。だよなっ?ありがとうございました。

翌日は7回目にして初の鳥取でのオフ。砂丘も楽しかったし、蟹も美味極まっていたし、レコ屋も欲しいの買えたし!あっくん、仲間の皆、色々とありがとう!

松江。3年ぶり3回目。過去2回とも同じ箱。今回はその箱の引っ越し後のリニューアル記念ライブ。札幌の俺等からは松江は結構遠くてね。いつも行程が大変
なんだ。そしていつも道すがら、こんな遠い所まで俺等の音楽が届いてるんだって若干半信半疑にもなる。でも、過去2回とも、そんな俺の杞憂など根底から
松江のオーディエンスがひっくり返してくれてきた。だから今回は俺は最初からがっつり楽しむつもり満々だった。松江の名物、DJ符和と合流。相変わらずな
ファンキーなノリで上げてくれる。この夜は松江の音楽家が集合してた。俺等はトリ。結構年配のお客も見えて、先輩達の前って事で、気持ち込めてやらせて
いただきました。ありがとうございました。過去2回の狂乱とは違って、ただ盛り上がるだけではない深さを多分に含んだ夜になった。和田君、ありがとう!

豊橋。1年7ヶ月ぶり3回目。深夜の灼熱に荒ぶるダンスフロアーでの一戦。こういう夜を生き残れないとただのミュージシャンくずれで終わっちまう。俺等は
ヒップホップ。説得力と持久力をフルで使い切り、味にうるさい良質音楽中毒者達の期待の上に君臨するんだ。山陰の連戦で質は上がってる。間違いない夜に
してやるぜ。まずは飯だ。ノスタルジアで超美味いイタリアンを喰らう。外は大雨。しかしそこを超えて集まってくれるのが豊橋。始めようか。冬にやろうが
豊橋はいつも通りに熱かった。男も女もどいつもこいつもノリが突き抜けてる。投げかけたら倍にして返ってくるからね。煽り甲斐があるってもんだ。怒号の
ような歓声が終始響きまくってたね。最高に上げられました。ありがとうございました。また皆と勝負出来るように精進続けます。SHUICHI君、ありがとう!

岐阜。3年ぶり3回目。舞台はANTS。ここは俺の好きな箱なので楽しみでした。昼間から街をぶらぶら。入り組んだ商店街を迷って楽しんだ。カレー、パン、
大福、全部美味かった。全体は古いんだけど、珍しく終わった感がない所も多かった。大体はアーケードが取っ払われたシャッター街ばかりだからね、まだ
未来へ継続している雰囲気が時折感じられた。リハやって美味いメキシカンをゴチになって本番へ。地元のDJ陣が勢揃いで暖めてくれていた。昔から名古屋の
ライブで関わってくれていた人達もいた。さあ3年ぶりの宴を始めよう。皆、曲をよく聴いてくれているのが伝わってきた。乗せられるように気持ち良く最後
までやれました。長丁場でも熱は最後まで冷めなかったね。ありがとうございました。シンジ、河野君、MOTIVE、中野君、仲間の皆、お世話になりました!

鈴鹿。5年半ぶり2回目。着くと冷たい雨が降っていたけど、リハの段階からあちこちから音楽家やDJが集結していた。ハードコアとヒップホップ、良い感じで
混ざりあってるのが感じられた。そこには祭の前のワクワクがあったね。美味い餃子をたっぷりいただき、箱へ。不良度が高っ!いいね〜。俺等の前は三重を
代表してYUKSTA-ILL。地元で観るのは上がるね。そして最後の曲から俺も合流。そう「HELL'S BELLS 」。そこからTBH。この夜のライブは結構煽る感じに
なった。食らいつくような皆の眼光を憶えてる。ありがとうございました。俺等の後はこちらも三重を代表してFACECARZ。競演するのは10年以上ぶりだ。
ここでずっと生き残ってきたんだな。地元のお客との会話にそんな長い歴史を感じました。最後のDJ陣も最高に酔えました。ウッチー、色々とありがとう!


あの日から、3月は特別な季節になった。春は近い。深い内省と思索の時を重ね、そしてもしも集まれたなら、その夜限りのパーティーを皆で上げていこう。

ILL-B