MESSAGE FROM BOSS

2008.10.1(#1)
すっかり秋ですな。9月、札幌は最初は「あれ?」ってくらい暖かい日が続いててね、「これが残暑ってヤツかあ」なんてのんきに思ってたら2、3日雨が降って、やんで、一気に冷えてきました。ライブで大阪に行ってたんだけど、あっちはまだまだ日中はショートパンツでもOKでした。こっからはもう冬まで早いです。秋ってのは一瞬で過ぎ去って行く。家の前の木々も色づいてきました。俺等の季節の始まりだ。
9月はライブは2本。

まずは大阪、ZETTAI-MU13周年パーティー。ここまで集まるかって位、凄腕が揃った。皆、今まで色んな現場でガチの手合わせをずっとしてきた本物のアーティストばかり。ここに名を連ねられてマジで光栄だぜ。一言でアンダーグラウンドと言っても、今や人の数だけ解釈があるし、これっていう答えなんてないんだよね、アンダーグラウンドっていう言葉には。これはさ、やってる人それぞれの姿勢なんであって、ジャンルではないと思うんだ。この日集まったアーティストは皆、一応はアンダーグラウンドにいるってことになってっけど、アホみたいに有名ではないし、逆に全然無名ってわけでもない。何つーかね、皆、ちょうど良い加減の場所にいるんだ。自分等の音楽を、やりたい時に、やりたいようにやれてる、それも無理なくやれる場所ってのがあってさ、誰かに指図されてやってるわけじゃないんだ。皆、自由に音を出している。お互いくだらない嫉妬とか全然なく、自分のやるべき事をしっかりと見据えている。ある意味プロ中のプロだ。責任は全て自分で背負う。その代わり、アガリも自分等だけで分ける。何もかもが明快だ。話してても、皆、迷いがない。KAIKOOにも似た空気が漂っていたよ。同じ時代、こうして同じ価値観を共有できるアーティストが友人としてあんなに沢山いる事に勇気づけられる。しかも皆、バリっバリの
世界レベル!友人、盟友、同志、ライバル、呼び名は沢山あるけど、とにかく俺等は、言葉に出して話した事はないけれど、考え方が近い。

俺等は同じ場所にいる。しかも他に居場所がないってワケじゃない。好き好んでそこに、底にいる。最高に居心地が良い。幸運だとさえ思う。でも、それは裏を返せば、甘い内輪の集まりって呼ばれちまうかも知れない危険も持ってる。
ちょっと話がそれてしまうけれど、例えばね、でかいメジャーの会社に所属してる人ってのは、自由に全て出来るわけではない。それはお遊びじゃない。スタッフやチームメイト、色んな人達の現実の生活がかかってる。もちろん嫌な事もしなくてはならない。仕事ってのは好きな事ばかりじゃない。それを歯食いしばってやってかなくては喰ってはいけない。俺等の居場所もシビアだけど、そこもかなりシビアだ。俺は昔みたいに、無邪気に、でかいメジャーの会社にいるアーティストを、単にそこにいるってだけで小馬鹿にしようとは思わない。むしろ、皆、よくやってると思う。ここで名前を出すとさ、また、色んな勘ぐりを産むから、名は出さない。スタイルの違い、つまりは追い求めるアートの好みなんてのは、ここまで生き残って来たら、言いっこなしだ。どっちでも良い。どっちが良いか、選ぶのはお客だ。ただ、ただね、俺等よりも確実に働いてるラッパーは少しだがいる。
俺は時々、その人のブログに行って、その働きっぷりを読んでさ、自分の甘さを見極めて、俺にもまだやれる事はあるって事を学んでいる。

話がそれた。大阪のライブの話に戻ろう。会場は去年と同じ、非現実的な空間。ステージは去年と違う場所でやらせてもらった。空港からすぐ現場入って、リハ。OKIさん達と同じ楽屋。皆、久々。いい感じ。スタッフも気心の知れた人達ばかりでリラックスさせてもらいました。
で、飯。ここは行っとくか!って事で鶴橋へ。そう今年も何度も行ってるオモニ!今回も変わらぬ匠の仕事にやられまくった。っぱねえ。
で、本番。お客、詰めかけてたねえ。ありがとう。上がったよ。75分、ドシリアスな事になってた。曲間の誰もいないのかって位な驚くべき静寂。俺もやってて、このライブは一体どこに向かってるのだろう?っていう不思議な感覚だったのを憶えている。その間も言葉は読まれていく。一曲、一曲、確実に過ぎて行く。長いような、短いような、時間を超越した場所で皆、俺等も含めた皆、ぶっ飛んでたね。
最後の雷と、その後の皆の拍手と歓声で目が覚めて、この世に戻ってきたって感じだ。終わってから思うが、かなーりヤバかった。色んなシンクロの仕方があるけれど、ただ事じゃなかった。貴重な経験だったとすら思う。皆、文字通り底にいてくれてありがとうございました。


クラナカ、たけし、そしてスタッフの皆さん。お疲れさまでした!あの場所、2回目、歴史は進んでいくね。どこまでもついて行きますよ!



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