MESSAGE FROM BOSS

2008.12.3(#2)
俺がシスコの倒産の一報を聞いたのは、AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08の後半戦の最前線。長崎から熊本に向かう途中の車の中だった。
その時、俺の心には一瞬の落胆こそあれ、そこで止まって塞ぎ込み、絶望してる時間はなかった。それがある意味、俺にとっては幸運だった。
やらなくちゃならねえ事は、超えなくてはならねえ山は、そう、あの忌々しい登り坂は、電話の向こうではなく、事実、目の前にあったんだ。

こっからはAUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08の話。

広島を終えて、一度札幌に帰って、休養しつつ、セットの修正をしたりしてるうちにすぐ出発の日はやって来た。再び新千歳空港で皆と集合し福岡へ。箱はDRUM BE-1。福岡では1番多くやってる箱だな。東京からPAのサニーさん、撮影の森ちゃんも合流。さあ仕事だ。しっかりとリハして、まずは飯。福岡、ライブ前の飯はここ。そう紀文のマグロです。で、スニーカー何気に買ったりしてるうちに本番。お客はがっちり入ってた。後半戦の1発目、かますぜ。怒濤の120分。一度札幌戻ってリセットしたせいか、やってるこっちもフレッシュな感じで終わりまで一気に駆け抜けた。最後まで聴いてくれてありがとうございました。いつも福岡には上げられてます。終演後、物販を片付けて、宿に荷物置いて、打ち上げへ。ホテルの向かい、チェックインした時から、行こうぜと言っていた鉄鍋餃子。激ウマ。で、撃沈、皆は遊びに行ったけど、俺は就寝。

翌朝、10時集合。こっから九州最後の宮崎までは、永尾さんの運転で、皆で1台のレンタカー。ありえねえ荷物の量なんだけど、もういい加減慣れて、テトリスの様にすき間なく荷物を後部に詰めていく。天気は快晴。九州はまだ暖かい。札幌は一ケタ台まで最高気温が落ちてきてたので
この陽気は上がるぜ。途中サービスエリアで飯喰って、長崎到着。ここも約1年振り。街の感じが本当に和む。でも仕事で来てるって事で、着いたらすぐ箱へ。いつもように物販準備、ダイは音作り、でリハやって・・・。この何日間もそればっかり。ツアーだねえ。ならば飯だけでもって事で
チャンポン喰いに行った。旨!この日は、数こそ少なかったけれど、俺等にとっては一人一人がありがたいお客だ。ばっちりやらせてもらった。
最後まで聴いてくれてありがとうございました。終演後は永尾さんの案内でまた餃子。2日連続。モトラも一緒。ここも激ウマ。で、速攻寝ました。

雨混じりの中、熊本へ出発。走り出したら晴れてたね。昨日のライブの映像をチェックしたり、眠ったり、サンレコ読んだりしながら、九州を南へ。
去年の夏のリリースツアー以来の熊本。この日はオフだったんで、各自自由行動。俺は洗濯。で、L.I.V行って、拓郎と合流。で、ツアーの疲れもたまってきてるんで肉喰いに行きました。馬も喰って、飲んで、ヘベレケ。INDIGO行くとINGもいて、長崎のライブに来てた友人もいて、上がって
飲んでた。でもさすが長丁場のツアー。体が休みを欲してる。なので早めに帰って寝る。翌日、起きてリハ、こむらさきでラーメン喰って、本番。
熊本、かなり熱かったね。俺等もがっつり上げられました。その街の顔役、若いMC、音楽好き、古くからの友人、来て欲しい人等、皆来てくれてた。
忙しい中、皆、最後まで聴いてくれてありがとうございました。さすがこの辺りが山。疲労もマックスだったけど、良い余韻のまま眠りについた。

更に旅団は南へ。次なる舞台は今年5月以来の鹿児島。遂に、そうです。青森から巡り巡って今回のツアー最南端です。陸海空の移動全て使って辿り着いたぜ!箱は1年前と同じ、CAPARVO HALL。その日はあいにくのどしゃ降り。しかしお祭りやってたね。すげえ人、人、人。皆、道で
踊ってた。飯は黒豚。鹿児島の友人こうすけに連れてってもらう。激ウマ。しっかり喰って本番だ。デカイステージ、ばっちりの照明、音。もうここまで来ると俺等も吹っ切れまくってて、攻めのライブ。一歩も引かねえ。いや引けねえ。お祭りの中、そして雨ん中、俺等を信じて、身銭切って集まってくれた人の気持ちを無駄にするわけにはいかねえ。そして最後の拍手。救われました。最後まで聴いてくれてありがとうございました。
打ち上げは、やはりこの人。永尾さんにお任せ。あり得ない旨さの豚しゃぶ。いやーまっじで九州は飯が旨いね。酒も止まらん。残るは2カ所!

翌朝、お祭り本番のワクワクが漂っている鹿児島を発ち、九州最後の地、宮崎へ。もうこの辺まで来ると、この長いツアー自体の終わりが見え始め、皆、感慨深い感じになってきてた。俺等とING。お互いここまでそれぞれの使命をきっちり果たしてきた。色々あった。あと2カ所。これが終わったら、もうこのメンツでの旅は2度目はあるかどうかすらわからない。終わりは必ず来るんだな。東北辺りの頃なんて、終わりなんて想像も出来なかったし、道の途中、一体いつ終わるんだよなんて思ってた時すらあった。ここまで重ねてきた時間、あの、全てが異なる、かけがえのないライブ。それに意味があったことを、証明するべく、きっちり終わらせてみせるぜ。皆、口にこそ出さないけれど色んな事を考えていたと思う。車中はそんな雰囲気だった。

宮崎到着、ここも1年振り。着いた日はオフ。ダイと森ちゃんと街をぶらついて、インタビュー取ったり、ポスターまきしたり、レコ屋行ったり。
翌日、床屋行って、リハ。宮崎の友人タケと合流して、飯喰って、本番。去年はクラブだったんだけど、今回はライブハウス。俺等と一緒に回って、俺等の音の全てを知ってるPAさんとの音。そして言葉。気合いも、気迫も満ちてた。第16ラウンド、宮崎。ライブの質的には一つの頂点だった。最後まで聴いてくれてありがとうございました。終演後、ホテルに荷物置いて、打ち上げ。永尾さんの最後の大仕事。皆、期待度最高潮。そして完璧な味にノックアウト。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。永尾さんのおかげで乗り越えられたと言っても過言ではない、この九州シリーズ。これにて終了。そして残すところ、泣いても笑ってもラスト1カ所。遂に、遂に、遂に帰ってきた。ファイナル、リキッドルーム!

10月8日に仙台でスタートしてから、盛岡、青森、宇都宮、浜松、金沢、京都、高松、高知、松山、広島、福岡、長崎、熊本、鹿児島、宮崎。
全16夜。その場、その場で持ってる力を全て出し切ってきた。これは真実。俺が知ってる。そしてそこに、底にいた友人達が知っている。全ての夜、お客に、つまり友人達に礼を言って、頭を下げ、ピースサインでステージを降り、楽屋へ戻る。出迎えてくれてるINGと握手し、Tーシャツを
脱ぎ、汗を拭いて、新しいTーシャツを着る。そして・・・。ダイと必ずやっていたのが、終わったばかりのライブの修正点を掘り下げる事。無論、言う事なしのライブも多かった。そういう時は、さくっと乾杯だ。しかしやってる俺等しか最早解らないと言っていいレベルで、数々の修正すべき点はあった。何のために?明日のライブのために。そして、そう、ファイナル、1200人に2人で立ち向かわなくてはならない、その日のために。

1200人、冷やかしで来てる奴等は恐らく5人もいないだろう。わざわざ3500円払って、冷やかしに来るようなボンボンはもういないと思う。
皆、それぞれの価値観で俺等の音楽を聴いて、理解してくれてる人等だ。初めて観る人よりも、2回目以降の人の方が多いとも思う。そう、つまりはほとんどが俺等の流儀ってもんを知ってる人なんだ。だからと言って、全員同じではない。皆、それぞれに素晴らしく異なる。好きな曲も違うだろう。
繰り返すが1200人だ。1200人をコントロールする事。これは至難の業だ。恐怖や恫喝、暴力を使わずにだ。そこまでいくと、こっちの2人の力だけではどうにもならん。1202人の完璧なシンクロ。これは完全に人智を超えてる。1200人の心が開かれてることが最低限の条件となる。

そして、本番。最後の120分。皆の心は、1200人の心は、ばっちり開かれていた。これに尽きる。あっという間の、極上の刹那の積み重ねだった。

ありがとうございました。もう1度。本当に、ありがとうございました。

最後の最後のあの拍手。一瞬ですが、永遠を感じました。決して永遠ではない、一生の中、俺は、永遠を、確かに、生きながらにして感じました。

AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08はこうして終わりました。各街、各会場、力を貸してくださった皆さん、本当にありがとうございました!
そして!何よりも、オーディエンスですね。俺等の言葉と音、音楽が本物かどうかの鏡。皆が、全てです。皆、本当にありがとうございました!

NORTH SMOKE INGも、マジでよくやり遂げたと思う。終わってみて、君等と回れて良かったと思う。これからの飛躍を俺は見てるぜ。ピース!



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