MESSAGE FROM BOSS
2009.5.7(#3)
翌日は仙台へ飛ぶ。前日の打ち上げも楽しかった。皆、良い人達だった。仙台も秋のツアー以来。荒吐ロックフェスティバル。今年のフェス第1弾。面子も超豪華。燃えるぜー。しかし雨、相当降ってる。大丈夫か?色々聞く話では、その日、初日はとんでもないサバイバルな事になってたらしい。その日はオフだったんで、まずは牛タン喰って、パンゲアへ。偶然、インナーサイエンス、AK47がDJで来てて、更に沼澤さんが来てたり、日本のアンダーグラウンドの1つのサミットがそこにはあった。行ってマジで良かった。素晴らしい空間だった。休むつもりがすっかり遊んでしまったぜ。
翌日、出番当日、天気は少しの晴れ間もあったがまだ小雨交じり。仙台駅から会場へ。まるで桃源郷のような景色の中を1時間、到着。話に聞いていた通り、会場全体が泥沼。しかも依然雨は降ってる。そんな中、ギリギリの夜を生き残り、なおも上がろうとしてるオーディエンスが!皆、凄い。会場は花笠ステージ。ZAZEN BOYS、THA BLUE HERB、EGO-WRAPPIN'という強烈な並び。運や偶然で音楽を鳴らしているわけではない、本物の音楽家に前後を挟まれ、自分等の音楽を鳴らせる喜びと責任がのしかかってくる。ステージ裏に着くとZAZEN BOYSが大立ち回り。2年前のリキッド共演時もハンパなかったが、今回もありえないコンビネーションで、人力で極上のブレイクを畳み掛ける。ったくレベルが高いぜ。降りしきる雨。楽屋で待ってると向井君達が引き上げてくる。良い顔してた。次が俺等の出番。小さな楽屋内、たった今、自信と実力と努力の結果を出し尽くしたZAZEN BOYSとこれから最前線に出ていく俺等。良い緊張感。で、出番。一瞬の40分。一気に駆け抜けた。初めてのアラバキ、音楽はさ、いまさらジャンルじゃねえけど、この日HIP HOPの旗を掲げていたのは俺等だけだった。つまりは完全アウェイの空間。ここにはここのルールがあるんだ。こういう場所では一気に突っ切るしか道はねえ。結果は、はっきり言って好きか嫌いかしかねえ。その間はいらねえ。あれだけの実力者が揃ってるフェスで、記憶に残らねえってのが最も惨めな敗北だ。がむしゃらにラップしまくる。そして...40分後、最後に迎えたあの雷鳴のような拍手と歓声。
ありがとうございました。俺は眩しさが包み込むステージ上で、両手を上げて、それを浴びながら、ここに来て、出て、本当に良かったと思っていました。そして、今度は俺等が楽屋に戻る。静かにそしていつものように優しくよっちゃんが迎えてくれた。久々!恐らく俺等は良い顔してたと思う。次はEGO-WRAPPIN'の出番。小さな楽屋内、たった今、自信と実力と努力の結果を出し尽くした俺等と、これから最前線に出ていくEGO-WRAPPIN'。
良い緊張感。で、EGO-WRAPPIN'の出番。これが、また、と・ん・で・も・な・か・っ・た!ったくレベルが高いぜ。まじで高すぎだっつーの。神戸での打ち上げでサニーさんが言ってた。「ステージの上はフェアだ。」って。まさに。理屈も能書きもギミックもビーフも通用しない。そんなもんに時間を割いてる暇は全くない。誰も求めちゃいない。降りしきる雨。冷えと疲れを乗り越え集まってくれてるオーディエンスにはゴシップや小細工は通用しねえ。等しく与えられた時間、自分等の音楽で勝負するしかない。その権利を与えられ、出演者は連れて来られてる。外したらもう次はない。目の前で繰り広げられる、巨大な、EGO-WRAPPIN'と呼ばれる宇宙生命体のような音楽の塊に目を見張りながら、気付けば俺は俺に欠けているもの、足りない部分をひたすら探していた。そんなに明白に、簡単に見つかるわけじゃなかったが(俺等には俺等にしか出来ない事がある)、そう思ってしまう位、EGO-WRAPPIN'は素晴らしかった。こんな経験は、守られた、安全な場所から1歩も出て行かないで、傷つく事を恐れていては絶対に味わえない。1歩先にある貴重な時間だ。知ってはいたが、事実、喜ばしいことに!まだまだやるべき事はあったのだ。凄い人はいたんだ!頑張るぞおお!
で、今は仙台空港のロビー。新千歳空港行きを待ってます。4月。相も変わらず、どの街、どの夜、どのライブ、得るものは多かった。感謝です。
記念すべき夜、記憶されるべき夜、忘れがたい夜、全て等しく、リアルタイムに流れていく、21世紀初頭、日本。
皆、まずは、健康で。
ILL-B
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