MESSAGE FROM BOSS

2010.1.2(#3)
翌週は大阪。今年3回目。過去2回も極上の夜だったな。俺等もずっと長い間サポートしてもらってるカジカジって雑誌の15周年企画。めでたいね。
夕方に新千歳を離陸して、関空に着く頃にはもう暗かったな。もう随分見慣れた道をかっ飛ばして、まず何よりも先に向かったのはCOCOLO ROOM。
ハラQと久々の再会を果たし、その日にステージで着るTーシャツもらって(いつもありがとう)、アメ村へ。箱はJOULE。デカイな。前売りもすでに500枚突破してるらしい。凄そうだ。共演もレゲエからHIP HOPまでかなり幅広く、初めて会う人も沢山いて、俺等はライブのトリってこともあってワクワクしつつも静かに燃えていた。PAとしてサニーさんにも来てもらっていた。恐らく今夜のパーティーは色んな年代、音楽の好みが混ざりあった客層だと思う。そんなカオスの中で俺等を目当てに来てくれている人は無論、全く畑の違う人までをどう巻き込むか、与えられた40分という俺等にとっては決して長くはない時間の中、いかに魂を燃やしきるか、そんなことをずっと考えていたよ。旨過ぎな鳥鍋を喰って、体を温めて、会場に着くと、いやー入ってたね。景気いいね。上がったよ。友達も大阪、京都、神戸から集まってた。NG HEADの熱いライブの後、俺等の登場。40分一気に走り抜けた。口をポカーンって開けてるお客からも目をそらさず、誠意を持って魂を残してきた。皆,最後まで聴いていてくれてありがとうございました。
終わってからは般若と洋介、CHEHONの4人で乾杯したり、あり得ないメンツで遊んでたよ。大阪、いつもいつも楽しませてもらってます。ピース!

そしてその日はやって来た。今年最初で最後の札幌でのライブ。フィルモアノースでのTBHR祭。愛する我等のホームタウンに住んでいる皆に、そして音楽家に、音楽愛好家に、いつも遊んでる友人に、古くからの友人に、俺等が札幌でライブをやっていなかった15ヶ月の間に俺等が磨いてきたもの、日本中の同じ価値観の友人達と大切に共有してきたもの、変わったものと変わっていないものを、全て隠さず知ってもらう機会が遂にやってきたんだ。
PAのサニーさん、照明の畠中さん、俺等の言葉と音をよりリアルなものとして、目と耳に浮かび上がらせることができる、大切なメンバーの2人にも札幌に来てもらった。俺とダイでライブの曲順を組み、その中に隙間を探し、そこに新たな言葉や音を埋め込んでいき、そこにサニーさんと畠中さんが、さらに隙間を探し、エフェクトと光を埋め込んでいく。そうやって出来上がった今回のセット。1時間45分の間にはこれ以上(日が経てば再び隙間は生まれるのだけど)、立ち入る隙は残されていなかった。これ以上入れると過剰になってしまう。そういうギリギリの境地で成立している作品なのだ。
たかがライブだと思うかも知れないが、これはれっきとした空間彫刻なのだ。後はそれを表現するだけ。口火を切ったO.N.OのMACHINE LIVEの時点でフロアーは沢山のオーディエンスで埋まり、既に沸騰を始めていた。O.N.Oも煽り、ねじり、飛ばし、上げまくる。そしてその時はやって来たんだ。マイク1本もってステージに立つ。何百という目がこっちを見つめている。さあ彫刻を始めよう。緊張するのも、勢い余るのも、失敗するのも全てが未完成な生身の人間である証拠。そんな人間も完璧な表現に憧れ、それに近づきたいと思い、そこへ向かうべく努力を何度も繰り返せば、一瞬だけれど報われる時がやって来るんだ。それはすぐに過去に流れていってしまうけれど、何度でも創り直すことができる。気付けばそんなことを考えていたよ。そして輝けるあのエンディング。拍手と歓声。充満するポジティブな空気。音楽をこの街で続けてきて良かったとマジで思った。この街の皆にも俺等の思想はちゃんと届いていて、しっかり共有できているんだ!って思いました。皆,最後まで聴いていてくれてありがとうございました。浮き沈みに体と心を寄り添わせながら、俺等を上げてくれて、そしてハッピーエンドを与えてくれて感謝です。最高でした!終わってからも最高でした。皆と酒を飲み、笑い、ふざけ、語り、楽しかったね。地元はいいね。ジョージも来てて、短い時間だったけど何年ぶりってくらいゆっくり話した。いい感じで、そんな俺等を取り囲む皆もまたいい感じで、皆、笑ってたね〜。フィルモアノースの皆さん、お疲れさまでした。来てくれた皆、また会う日まで元気でな!

1日休み、パーティーの余韻も手応えも、まだ残った状態で、俺とダイは羽田に着陸した。この日は東京、渋谷、ASIA。16ヶ月ぶりの登場。前回はどっしゃ降りだった。良い夜だった。あの円山町の人間の欲望で大混雑な坂を上がってASIA到着。続々今夜のゲストもやってくる。WRENCH、太華、OLIVE OIL、そしてKEN ISHII。混ざってるね。皆、何度も、日本中の現場で顔を合わせてきた強者ばかり。この頃になると、当たり前だけど札幌でのささやかな達成感は完全に消え去っていた。やらなきゃやられる。喰わなきゃ喰われる。いつものことだ。これが俺等の仕事だ。この日のPAさんはサニーさんではなく、でも最高にガッツのある人だったんで、俺等もやる気満々でリハ。終わってからも入念にミーティング、言葉1つ1つにかけるエフェクトなど、細部まで打ち合わせ。何か、やばいことになる予感。会場に戻るとさすがASIA。しかも年末。がっつりお客が入ってる!よっしゃ!太華の、気持ちが乗り移ったMCの後、ダイが地下鉄を走らせる。熱狂、絶叫するオーディエンス。それから90分。ハードだったなあ。次々繰り出すクラシックを反射的に聴き取り、受け止め、更に倍の熱量で返してくる違いの解るオーディエンス、最高すぎたぜ。ほんっと凄すぎた。ただの年末によくある1日で終わるには惜しすぎる。それくらいの夜だった。東京、2009年も沢山のライブを俺等、やらせてもらって、毎回、来てもらって、最後、あんな形で上げてもらって、マジで感謝しかありません。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。ナオミちゃんお疲れさま!

翌日はオフなんで、中野行って森ちゃんと遊んで、翌日ウルトラ行って細かい仕事して、新幹線乗車。右手に富士山を見送りつつ、着いた街は名古屋。
今年2回目。7月のZAZEN BOYSとの共演も記憶に残ってる。あの日の望みの続き。着いた日もオフだったんで、鰻喰って味噌煮込みうどん喰って、このページの文を書いたりしてた。体調が良くなかったんで、このままホテルでのんびりしてようと思ったけど、4日前に札幌のフィルモアノースで共演したDJ HIKARUが偶然名古屋に来てたんで、聴きに行く。地図見ながら、迷いつつ、BUDDHAに到着。行ってみれば、またもや友達が一杯いて、しかも初対面の人も共通の友達沢山いて、初めてだってのに随分と酒も飲ませてもらっちゃいました。ありがとう。HIKARUの爆笑トークに笑いつつ、翌日のライブのことが頭に浮かび始めてきたとこでホテルに戻り就寝。翌日、また鰻を喰って、ダイ、クラナカと合流。で、リハ。箱はRADIX。久々。
もう何回目だ?随分来てる。リハしてまたうどん。しっかり暖まって箱へ。クラナカの相変わらずのスーパードープな時間の後、登場。クリスマスの深夜、集結してくれた沢山のオーディエンス。俺等も応えるべく100分のロングセット。しっかし意味深かったねえ。極上の静寂と、最後の爆発を俺等に与えてくれたおかげで、この1年間、ひたすらに鍛えてきた表現を、余すことなく出し尽くすことができました。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。終わってからは刃頭のプレイ聴きながら、名古屋の友達と飲んで、語り、笑った。クラナカお疲れさん!社長、ゴチでした!

2009年最後は例によって北見。ほんと何故かツアーの最初や最後は北見になることが多い。あの雪深い峠やトンネルをいくつも越えた所に、暖かい心が宿るクラブがあって、素晴らしいオーディエンスがいるんだ。数々の夜を彼等、彼女等と見送ってきた。去年も最後は、ここでまた来年会おう!と言って別れてきたんだ。そこ目指してダイと札幌駅から出発。4時間半の道のり。新幹線で4時間半だったら一体どこまで行けんのよ?とは言っても、もう何度も通ってる道、暇のつぶし方を心得たもんで、今回は意外と早く感じたな。グリーン席ってのもあったかな。着いてホームに降りると、やはり寒い。おっ近くに肉まん屋でもあるの?って自分の息かい!ってくらい息が白い。おなじみHOOPLAへ。ダイが入念に音を作り、声を合わせていく。年末のライブの連続でノドが消耗してるな。よし飯だ。北見と言えばの肉。俺的に日本で1番ホルモン焼肉が旨い店がある。いやマジで。いつ行っても同じクオリティを提供するのがプロ中のプロだな。今回もうめえ!しっかり喰ってスタミナ補給。戻ると既にフロアーは熱かった。セットは110分。これぞ真夜中のクラブって感じの、お客との距離が近い接近戦。1歩も引かずに言葉を心めがけて撃ち込んでいく。お客も1歩も引かない。俺も君も皆がストイック。いつもながら最高だったぜ。最後が北見で良かったです。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。そして既に恒例になりつつあるアフターアワーズ。またもやあり得ないことになってました。楽しすぎた。ありがとう。究極に遊んだね。まっつん、セイスイお疲れ!

今は北見からの帰りの電車の中。気付けば長くなってしまいました。最後まで読んでくれてありがとう。

今年もよろしく。お互い頑張りましょう。

ILL-B



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