MESSAGE FROM BOSS

2010.9.1(#5)

佐賀。47都道府県制覇の旅、46番目の地。しかもこの日は野外。出演も各ジャンルから出てて、こっちもかなり楽しみにしていた。京都を朝9時半に出て、ダイとサニーさんと一路西へ向かう。博多で降りて、そこから迎えの車で佐賀に向かったんだけど、もう普通に駅の駐車場の時点で暑さ、シャレになってなかった。こんなんで野外って、お客大丈夫?ってくらいの灼熱だった。着くと、やはり多くのお客が木陰でダウン。そりゃそうだわな。暑いもん。
でも、ライブは行われてて、ちょうどKEYCOの出番だった。初見でしたが、プロの仕事を見たね。頭上からがっつり照りつけまくる太陽の下、それでも集まって来ていたお客と、まるで天国のような光景を作り出していたよ。マジ素晴らしかったっす。その後もプログラムは続き、沖縄以来のOLIVE OILや、去年の名古屋以来の向井君とかと談笑。で、我等の出番。日は陰り、雨が軽く降る中での登場。佐賀の皆との記念すべき最初のコンタクト。時間は俺等にしては短い50分。だから最初から最後まで一気に飛ばした。MCも極力減らし、核心のみをラップしていく。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。良い初対面になった。野外独特の開放感の中、笑顔で迎えてくれて感謝です。終わってからも会場の雰囲気を楽しんで、友達やその日友達になった人、皆で音楽に浸かって、まさにNICE TIMEでした。スタッフさん、おーじろう、お疲れさま!

横浜。ここはPHASE 3になってから初めて訪れた街。しかしPHASE 3の間に4回も呼んでもらってる。ありがたい。しかも毎回頂点極めてる。ZAIMUのKAIKOO、去年のTURTLE ISLANDとの激戦、マジでこっちも色んなもんもらってる街。前入り。天気良い。しかも海風で夕方以降は結構涼しいね。中華街行ったり、根木ちゃんに野毛案内してもらったり、良い休日を過ごしました。ライブはサイプレス上野とロベルト吉野とのツーマン。知ってるかな?良い曲沢山あるよ。しかもお互いに1MC1DJでのライブ。最近色んな現場で会ったりしてマイク1本でのライブならではの話もよくする。先頭はサ上とロ吉。
好きな曲も沢山やってた。良かったぜ。ZZの面々もいてこっちも上がりました。さあ俺等の出番だ。スカッとやり遂げた顔してるサ上と握手してステージに出て行く。そっから100分。怒涛やったね。こっちも聴かせられっぱなしってわけにはいかねえからさ、ガッツリやらせてもらったよ。これは勝ち負けじゃない、大事な横浜の皆との別れの宴だ。1度限りの時間が流れていく。しっかし盛り上がりまくったね。ずっと沸点超えてた。やっててこっちも時間を忘れるくらい楽しかったです。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。俺等とサ上とロ吉、スタイルの違う2組でも、楽しみまくってる皆のおかげで良い夜になりました。恒例の中華街での打ち上げも楽しかった。吉野君お疲れした!

東京。リキッドルーム。2月のラフィンとの邂逅以来の帰還。この日は最高に意味深かった。何かが再び始まるかもって思えた夜。出演は全てラッパー。
再会あり、初対面あり、俺等にとっても色々な因縁が絡んでる面子。リハの段階から緊張感が漂ってたよ。俺等は無論ベストを尽くした。凄かったね〜。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。全てが終わった今思えば、皆、見事にスタイルが違ってた。観れた限りでは全員違ってた。違った上に完成されてた。しかもね、それぞれの違うスタイルを観ても、真似しようとも思わないし、真似できるとも思わないんだな。ってかできないんだよ。皆、ルーキーじゃない。それぞれがそれぞれのスタイルと長い間生きてきた。今更、他の事はできないし、やろうとも思わない。迷いがないんだな。遂にそういうとこまで来たんだ。日本のヒップホップも。自分と違う他人のスタイルをどう据えるか、貶すのか、尊重するのか。無論、好き嫌いはある。これはしょうがない。自分の理解を超えたスタイルもある。そんなのお互い様だ。でもそれを貶すのか、尊重するのか。これは大きな違いだ。他人のスタイルを、自分とは産まれも育ちも違う別の人格である他人のスタイルを、あれこれ口を出すことの不毛さに、いい加減さ、俺も含め、皆、気付き始めてんだよな。
意味ねえもん。決めんのはお客さんだもん。それでいいっしょ。後は各自が自分のスタイルをベストな状態で観てもらうことに心血を注ぐべきなんだ。
長い間、多くの争い、過ちや試行錯誤を繰り返して、実はそう皆が思い始めてんだよね。別に皆にそう思えって言ってんじゃないよ。自分で気付かないと意味がないからね。しかもそれはある一定のレベルを超えた後の話だ。もちろんオリジナルであった上で、更に高いレベルでの話だ。その日のリキッドは、表舞台も、バックステージもそんな安定したバイブスがあった。皆、ほんとあのエゴの泥沼を生き残って上がってきたラッパーなのに、(俺も含め)マジで謙虚だった。まずちゃんと自分が何者かを話し、握手し、今日を楽しもうって言い合ってたよ。本当だよ。何ていうかバランスが保たれていた。そして皆、自分のやることだけに集中してた。で、ステージに出て、そのそれぞれがそれしか持っていない自分のスタイルを炸裂させていた。それだけしかなかった。妬みもひがみも、いざこざもなかった。皆、プロに徹してそれぞれのスタイルを貫いた。それを観れただけで十分だ。誰がどうとか、優劣を口にする気はない。後は、実際に足を運んでお金を支払ったお客が、それぞれ映った感想を言えばいい。それも人の数だけあるだろうし。こっちは皆が送り手だからね。とにかく!良い日だったな。楽しかったよ。ドリームマッチとはよく言ったもんで、思い返せば、そして昔を思えば、多くのラッパーと、まるで夢の中の出来事のようなエピソードが沢山あった。もっと早かったら、また何か違う未来になってたかもね。ちゃんとその価値を理解している、独立して、公平で成熟したメディアがあれば、あの日のことは永く残されただろうけど、ま、今のヒップホップ、そういうのは滅んじまってるから、あの場にいた皆で、あのポジティブなヒップホップを広げていくしかない。でも遅くない。俺は観て聴いてきた。今もヒップホップは熱いぜ!東田、三船君!お疲れ!ありがとう!


もう1回言わせてください。

PHASE 3.9ツアーもあと10本!

我等THA BLUE HERB、1999年5月2日東京、六本木コア、北海道以外での最初のライブから、足かけ11年。この国のヒップホップでは初となる、47都道府県制覇まで、いよいよあと1県!おっしゃ〜!山梨を代表しているクルーSTILLICHIMIYAの力をお借りして、山梨県甲府市で1つの区切りを迎えるのです。だからといって当日、特別なことは何もないです。いつもやってきた通りの1MC1DJのライブです。お近くの皆さん、是非お越し下さい!

来月の今頃はもうPHASE 3のライブのほとんどが終わっていることだろう。ここが正念場。各所、その時に感謝し、一生懸命やらせていただきます。

健康で。

ILL-B



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