MESSAGE FROM BOSS
2011.2.2(#3)
もう1つ。先月も軽く触れてましたが、俺のコンパイルした(選曲した)アルバムが発売になります。俺の創った音楽は入ってません。古今東西から集めた、俺に影響を与えてきた曲達です。簡単に言えば、札幌のダンスフロアーでいっつも聴いてる曲、かけてる曲です。俺の事をよく知ってくれてる人達にはすでに周知の事実ですが、俺は現行のアメリカのヒップホップはもうあまり聴いてはいません。否定ではないよ。俺のこと。個人的なことだ。
むしろ日本人ラッパーの方が聴く機会が多い。やっぱ何言ってるかで選べるのがいいよ。そういうもんでしょ。まあ、でもそれもそんなに多くはない。
はっきり言って、今、ヒップホップとは俺にとっては創るものなので。金と暴力、蔑視に偏ったメッセージはもういらねえ。そんなもんに留まらないヒップホップってやつを日本語で俺が、俺等が創っていく。そう見切って、前を向いてからすでに10年以上が経ってます。しかし、それからも札幌の地下1階のダンスフロアーに俺はいた。ずっと居続け今日に至る。昨日もいた。明日もいる。マジで。今回はそこで聴き、感じ、踊っていた俺に、実際に降り注いでいた音楽を中心に選ばせていただきました。内容は新旧問わず、ダンスミュージック(所謂四つ打ち)が半分以上です。そこには所謂ハウス、所謂ダンスクラシックスが含まれます。それに加え、ゆるい速さの曲、日本語の曲も入れさせていただきました。それこそ中坊の時に聴いてた曲、旅先で見つけた曲もあります。今回はヒップホップ、ラップからは選んでいません。もう1度言いますが、俺にとってヒップホップの音楽は創るものなので。
そして創った成果そのものは、上で述べたDVDとなって堂々、一足先にこの世に出ています。解りやすく言えばこのアルバムは俺にとってインプットとなったもの。そしてそこで取り込んだ様々な要素によってイメージを広げ、自分の表現、つまり言葉を導き、それを吐き出す、つまりアウトプットになったのがDVD「PHASE 3.9」ってわけです。今までもHERBEST MOON、JAPANESE SYNCHRO SYSTEMにおいて、ヒップホップ以外の音楽に挑戦してきました。その度に、硬直化したヒップホップ、THA BLUE HERBのMC、そしてBOSSという、殆どが実際の俺とは異なるイメージに、一見反した音楽を、型にはまらない音楽を気ままに、あるがまま、感じたまま世に出してきた。今回も皆さんの中にあるそれぞれの俺へのイメージと一致するかどうか、楽しみでもあります。ただどこまでいっても、祭り上げられても俺はただの俺。そういうモノの見方のはるか高く、俺は、シンプルに、俺が普段聴いている音楽を入れさせてもらいました。楽しんで欲しい。思うことはただそれだけです。ここに収録された曲達の向こう側に確かにある、大いなる音楽の大海に漕ぎだすきっかけになれば、あるいは皆のそれぞれの生活の場面を何かしらの色で彩ることができれば、それで最高ばっちりっす。
タイトルは「INSPIRATIONS」。13曲収録。発売は3月2日。価格は2500円(税込)。プラス俺自身の中にある、それぞれの曲や、音楽そのものへの思い入れを綴ったブックレットが付きます。初回特典に、俺が創ったミックスCDが付きます。収録されてるのは、アルバムに入っているのとはまた別です。ある日の晴れた午後、光が差し込む札幌の俺の部屋で、何気なく繋がっていった曲達が入ってます。マスタリング(それぞれの曲の質感を揃えて1つのアルバムにする作業)は、同じ札幌で音楽を創っているKUNIYUKI TAKAHASHIさんにお願いしました。彼を御存知ですか?素晴らしい音楽を数多く残してきた真の音楽家です。札幌の同じダンスフロアーで、もう何年間も顔を合わせ、そこで、底で何が起こっていたか、それを理解し、更に、卓越したマスタリング技術を持っている唯一の同志です。エゴを捨て去り、分かち合いたい、そう心を込めて創られたCDです。よろしくお願いします。
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