MESSAGE FROM BOSS
2011.2.2(#4)
全てのインフォメーションが終わった。ライブももう終わってる。インタビューも終わった。あと少しでここからの発信も終わる。いよいよ本格的にTHA BLUE HERBの活動第3段階目 a.k.a. PHASE 3が終わる。思えば2007年春、「LIFE STORY」を完成させた所から今月まで、色々あった。
本当に沢山の人に出会わせてもらった。このパーティーから去っていった人もいたし、全ての人の期待に応えることができたわけではなかった。けれど1つ1つの局面ごとに、決断ごとに、信じて、支えてくれている皆の存在があった。それは確かにあった。俺はいつも、遠く札幌から離れた場所にいる、しかし確かなその存在を常に感じていた。ちゃんと繋がってる、そう信じられる何かがあった。そして実際にどの街に行っても、どんな状況でも、沢山の人が俺等に会いに来てくれた。そして俺等を上げてくれた!時に一緒に口ずさみ、時に俺等を励まし奮い立たせ、パフォーマンスの最後まで見届けてくれた。
俺等は、もう同業者に言葉を向けてるワケでも、音楽業界に向けてるワケでもない。俺等のパーティーに対してあれこれ言ってる奴にも言うことはない。俺等は俺等を支えてくれてる皆へ向けて、言葉を、音楽を、想いを投げかけてきた。やってきたのはただそれだけ。どこまでもシンプル。
皆が俺等を変えたんだよ。そしてその変化を俺は後悔していない。皆を楽しませたい、驚かせたい、納得させたい、皆とシンクロしたい、皆でまたあの輝くライブのエンディングを迎えたい、そんな想いが俺等をここまで導いてくれた。そのために必要なことは何か?何が欠けているか?そう考えながら俺等は俺等のライブを鍛えていった。そして完全に登り詰めた。もう少なくともライブでは、ここより高い頂は、同じ山脈にはない。頂上に達したんだ。
2007年春の北見での復帰1発目のライブ、その後の札幌フィルモア、そっからの全国ツアー、京都METROでの熱狂、久々のFUJI ROCK、灼熱の宇都宮PLANET、RISING SUNでのあの真夜中のSUN STAGE、マジカルキャンプ、ZETTAI-MUの灼熱なステージ、沖縄の昼間の灼熱な野外ステージ、姫路FAB SPACEでの激戦、金沢MANIERの狂乱、2008年1発目の真冬の釧路、O-EASTでSEEDA達とのライブ、徳島でのSTERUSSとの出会い、灼熱の横浜ZAIM、鹿児島霧島での野外、TAICOCLUB、SANDINISTAでの夜達、ASIAN DUB FOUNDATIONとのツアー、AUTUMN BRIGHTNESS TOUR、両国国技館、クリスマスの函館、年末の北見でのDJ、2009年1発目の真冬の旭川、京都での花見、神戸マージービートでの夜、どしゃ降りのアラバキ、リキッドでの演武10周年、横浜でのタートルとの対バン、名古屋でのZAZENとの対バン、灼熱の大阪NOON、灼熱の中野HEAVYSICK、鳥取の野外で終了直後の月、サマソニ、町田、BRAHMANとEGO-WRAPPIN'との大勝負、八戸での20周年の夜、WARTERでの激戦、2010年1発目の真冬の風邪の広島、ラフィンとの邂逅、九州縦断、BASEのカウンター、秋田で難波君との再会、米子での激戦、灼熱の札幌JADE、灼熱の苫小牧ROOTS、灼熱の新潟PRAHA、高崎での乱痴気騒ぎ、47都道府県制覇最期の地山梨、灼熱の東京ASIA、10年ぶりのCOUNTER ACTION、最後の北見、辺野古・・・・・。全て思い出せるが書き切れない思い出が日本全国に残っている。179回か・・・。振り返ると果てしない旅だ。
今持っている曲達で、俺等は頂上を極めた。これ以上は、新しい曲を創り、今より高い頂がずらっと居並ぶ、次なる山脈に向かっていく以外、道はない。
すでに一足早く、その山を登り始めているO.N.O。彼の生み出したビートと向かい合う毎日が始まる。ずっと楽しみにしてきたんだ。多いに楽しみたい。
時はハードな平成ど真ん中。路上からビルを斜めに見上げているラッパー達の言葉が、停滞や閉塞を打ち破る力を得る時代だ。実力のあり余るMCが今やこの国には沢山いる。ILL。勝ち負けではないけれど、俺等自身も高めることを続けていかなくては生き残れない。油断なくしっかりと取り組むぜ。
昨年10月2日に北見でライブを終えた時点で、全てが終わったわけではなかった。今はさ、俺等を常にフォローしている音楽誌もない。だから自分等の歴史は自分等で区切って、終わらせ、そして終わる過程や理由や意味を、自分等で場所を作ってしっかり説明していかなくてはならない。ライブ終わったから、じゃあバイバイってワケにはいかない。俺等の歴史はそんな簡単なもんじゃない。俺等と皆の歴史はね。だから2007年春から続いた活動第3段階目 a.k.a. PHASE 3をまとめるために、この3ヶ月生きてきた。少しずつ着陸させてきた。それも、あと少しで終わる。巨大空母が錨を降ろすんだ。
昔、いつか誰かからメールが来た。俺は憶えている。「ブルーハーブのウェブのアクセス数が100万ヒットを超えた時、本当に時代は変わるぜ!」。
もう200万超えてるよ。色々あった。昔から(もう昔っていつだ?って話だけど)サポートしてくれてる人、活動第3段階目 a.k.a. PHASE 3から合流した人、皆、等しく、ここで長々と書いてきた俺の言葉に付き合ってくれてありがとう。いやね、今は2007年には思いもよらなかった未来でね、音楽の世界でもツイッターに代表される、簡単で速いコミュニケーションが主流になっててさ、昔は俺だけではなかったんだけどね、気付けばこういうこと、こんな字数で毎月メッセージを発している人も少なくなった。どっちがどうじゃなくてね、実際に今回もツイッターに乗って、俺等のインフォメーションも遠くまで広がっていった。それに比べれば実際、ここの文は、単に読むだけでも大変だ。だから読んでくれて感謝してました。毎月毎月ね。
ここまで来ると、もう感謝しか出てこないな。礼で終えよう。
この3年半、俺っていう人間の、THA BLUE HERBの、器一杯の理解者に出会えた。それで十分だ。名残惜しいが、もう潮時だ。
再びここに帰ってくるのはいつか、約束はできません。どうか皆、元気で。また笑って会えることを楽しみにしてます。
この3年半、支えてくれて感謝!
ありがとうございました。
では、もう行きます。
さようなら!
ILL-B
戻る
トップ
(C)TBHR