MESSAGE FROM BOSS

2012.4.1(#1)
4月です。もう4月!


いよいよ発表する時が来ました。そうです。THA BLUE HERBの4枚目のアルバムが完成しました。録りを全て終えたのは3月11日でした。そこから最後のミックスに時間を費やし、並べて、プレシャスホールでチェックさせてもらい、東京でマスタリングして、全て作業を終えました。完成です。


THA BLUE HERB4枚目のアルバム、店頭発売は5月9日、全13曲、70分51秒、タイトルは「TOTAL」!


元々THA BLUE HERBの曲では俺以外のラッパーは招いていないのですが、今回はヴォーカリストも招いてません。ゲストはなし。俺とO.N.Oの2人。
そしてスクラッチをDJ DYEにやってもらい完成まで辿り着きました。スタジオエンジニアの譲も多大な力を貸してくれました。思えば最初の一言目を書き留めたのは一体いつどこだったのだろう?ってくらい長い時間をかけてリリックを書いてました。自分の部屋で、札幌で、誰もいない早い時間のプレシャスホールで、ライブの移動で、酔っぱらって帰ったホテルで、飛行機で、旅先で、達成した時や挫折した時、嬉しかった時や悲しかった時、ムカついた時やムカつかれた時、誰にでも等しく訪れるであろう生活のありとあらゆる場面に、俺がそう望めば確実に、真新しい言葉は向こうから、少しずつ、一滴一滴ずつ、ノートやフライヤーの裏にこぼれ落ちていった。膨大な紙の山から、選び、繋げ、一歩一歩歩んできたんだ。それでも去年の3月11日からしばらくは言葉は出なくなった。絶望を乗り越えるためには言葉が必要だとはとても思えなかった。俺に話しかけてくるどの言葉が一体真実なのかも分からなくなった。でも、時間と思考を沈黙の中で積み重ね、ゆっくりと閃きは回復した。それは前より少しだけ強くなって。離れた街に住んでいた仲間が死に、彼の遺していた言葉に触れ、呼応するように言葉は溢れ出した。近しい仲間が死に、仲間皆で送り、涙で暮れた後、語りかけるように言葉は溢れ出した。5年ぶりのアルバム。長い時間だな。その間に沢山の子供達が産まれ、今では走り回り、仲間の多くは会う機会も前よりは減ったかもしれない。皆、同じだけの時間、人生を進めたんだな。発展、停滞、衰退、何にせよ、時間は前に進んで今がある。俺はまた多くの曲を生み出した。生み出せた。始まる前はやり遂げられるのか少しだけ不安だったけれど、きっちり揃えた。俺はこの曲達と生きていく。今までと同じように、皆に聴いてもらい、皆の前で歌い、鍛え、成長していくその曲達と生きていく。賛否両論極論上等。これは後戻りできない航海のようなものなんだよ。
フロンティアに向かって行くんだ。しかもドアは開かれている。来る者は拒まない。去る者は追わない。こっちはとっくに腹をくくってる。安心しろ。
俺は見捨てない。ずっと寄り添う。こんな機会は滅多にないから、覚悟決めて自分等の信じる音楽と生きていく人間の姿ってのをよく見ておいてくれ。
シングル、アルバム、特典合わせて全16曲。今まで創ってきた曲達と等しく、俺は、俺等は、この曲達と最後まで、死ぬまで生きていく。



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