MESSAGE FROM BOSS

2013.5.1(#3)
福島。いわき。5年ぶり。たった5年しか経ってないんだけど、5年行ってない街なんてこの仕事では珍しい事ではないんだけど、この5年には決定的な出来事が福島では起こった。そう、あの日、2011年3月11日。今、俺等が回ってる旅っていうのはアルバム「TOTAL」のリリースツアーの延長になるんだけど、この「TOTAL」っていうのはさ、そこで語られている思想っていうのはね、聴いてもらえばすぐに解ると思うけど、そもそもあの日、2011年3月11日とそこからの日々に大きく起因してるんだ。全てではないけれど、大きく影響を受けている。そこからどう上がっていくかのために言葉の多くを割いている。だから必然的にこの旅の中では、無論全ての街が等しく重要ではあるけれど、特に東北、そしてここ福島で音を鳴らすっていう事が目標にもなっていたんだ。そこで生きている人達にどんな言葉を投げかける事ができるのか。そしてその言葉は有効なのか。その言葉に含まれる前向きさは力を発揮できるのか。これは難題ではあるけれど乗り越えなくてはならない壁だった。文字通り避けては通れない街、地域だった。先月、宮古、大船渡、石巻でライブをやらせてもらって、遂に、福島にやって来たんだ。5年前のいわきでの夜は憶えてる。そもそもここ、いわきは、俺等とも繋がりが長い。1999年5月2日、俺等が北海道以外でライブを初めてやらせて
もらったあの六本木コアの夜から繋がってるんだ。2011年3月11日、いわき、福島を襲った災い、そこからの苦難は多くの変化をもたらした事だと思う。故郷を出て避難した友人、そこに残った友人、ずっと皆に会いたかった。福島第一原発から50キロ。5年ぶりのいわきは晴れ渡っていた。今回貴重な場を作ってくれた久野君の出迎えを受ける。箱も5年前と同じSONIC。先に来ていたPAのナオミ、照明の畠中両氏と合流。リハ。音は申し分なし。本番が楽しみだ。しっかり飯を喰って、箱へ戻る。すでに熱気が充満してた。ステージに出ていくと沢山集まってくれてた。マジで5年前と何も変わらない上がりっぷり。しかし俺等の間にはあの日が厳然と横たわってる。「NUCLEAR, DAMN」「続・腐蝕」「GET READY」「STILL STANDING IN THE BOG」「SMILE WITH TEARS」。勇気を振り絞ってやらせてもらいました。言わねえ約束なんざ通用しねえ。そこを言わねえと、核心に触れねえと先には進めねえ。俺等の新しい未来には向かえねえ。暗闇の中、受け止めてくれた皆と共に、急な坂を止まらずに一気に登っていく。少しずつ明るくなっていく。光の根源、頂上まで遂に辿り着き、見えた景色はばっちり輝いていた。見渡す限り眩しいくらい輝いていたよ。別れ難く、名残惜しく、ステージから離れられなくなってた。気付けば115分。そこで聴いていてくれてありがとうございました。理不尽や不条理から生まれ落ち、何の落ち度もない皆に降り掛かり、そしてこれから抱えていかなくてはならない事にとっては直接的に何の力にもなれない透明な言葉だけれど、それでも、ああやって皆で集まって、昔の仲間も集まって、新しい世代も集まって、生と死の間で、純粋に楽しめた事が、互いに感謝し合う高みまで行けた事が、笑って別れられた事が、俺にはたまらなく!嬉しかったです。いわきを離れた仲間も、この夜は遠くから
車かっ飛ばして帰ってきた。そしていわきに残った仲間と一緒に来て、そして5年前のあの夜と何も変わりなく、一緒に楽しんでくれた。変わった事もお互い沢山あったけど、「BOSSさん、全然変わってないっすね」って言ってくれるいわきの皆!皆も全然変わらず最高にファンキーだったぜ!また会える日を楽しみにしてる。いわきの皆、そして福島各地から集まってくれた皆、素晴らしい夜をありがとう!皆の発展を、幸せをいつも祈ってる。久野君、御世話になりました!

ARABAKI ROCK FEST.13。4年ぶり。今月の大一番。朝8時半にいわきを出発。仙台着後、会場へ。今年初の野外フェス。晴れ渡ってる。根こそぎ獲ったるぜ。
気合いに満ちてた。場所は去年のAIR JAMと同じ。良い感触がまだ残ってる。出番は4:20。ばっちり。同じ時間、他のステージでも強者がひしめいてるらしいが俺等は俺等を信じて集まってくれた人に向かってぶっ放すだけ。「次は札幌〜」地下鉄SEの後、大歓声のステージへ。ばっちり集まってくれてた。逃がさねえ。40分、ロックしまくる。あれぞパーフェクトゲーム。全開に上がってる皆のおかげで達成できた。東北の皆に言いたい事は全て言えた。そこで聴いていてくれてありがとうございました。そして俺等の後はクラムボン。そう「あかり from HERE」。やるに決まってる。一昨年のフジロック以来の響演。やっぱりあの曲、トテツモナイ。突き抜けまくった。たった数分で遥か遥か彼方までぶっ飛んだ。楽しかったね。クラムボンの皆、ありがとう!そして共感した皆、ありがとう!



「TOTAL」TOUR、年間47都道府県制覇まで、残すは4県!いよいよ終盤。後悔残さずやり切ります。

ILL-B



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