MESSAGE FROM BOSS
2014.4.2(#2)
釧路。6年ぶりだってね。最近は道東だともっぱら北見に行く事が多くなってたね。昔は釧路、よく行った。とてつもなく景気が良かった頃も覚えてる。店が傾くくらい盛況だった夜。あれから時間は経った。はぐれていった仲間や、あの街を離れた仲間も多い。感慨深い。俺等、この6年分の成長を見せるつもりで行ったんだ。冬の底、でも魚は旨く、ザンギも熱く、良い感じで俺は暖まった。箱はいつものGREEN。オープニングライブは俺等だった箱だ。着くとお客、たくさんいた!しかも良い感じで上がってる。さあ行くか!6年ぶりにぶっかまそう。やってみて思ったけど、6年経ったとしても釧路は相変わらず熱かった。脈々と続いてきた夜達を垣間見た。何も終わっちゃいない。むしろ色んな事が、それこそ6年前にはなかった事が始まっている。とても創造的な空気があった。俺等の後のDJも極上に良かった。層が厚い。源太の画も完成!ばっちり。皆の楽しみたい気持ちが開花した夜。ありがとうございました。よしとも、お疲れ!
福島。ここは10年ぶり。しかも3年目の週末。普段通りにやるとは思っていても、新聞やテレビや雑誌やこの国の雰囲気がどうしても重いものになっていた。そうだよ、まだ3年しか経ってないもんな。そうあるべきだ。俺等だってそこを狙って、メッセージを撃ち込むつもりでこの日に福島でのライブを決めたんだ。同時に俺自身も色んな事を学びたいって気持ちだった。箱は10年前と同じNEO。いつものようにDYEとナオミと俺でリハーサル。からの飯。福島の仲間が
続々集まってくる。皆、自己紹介もそこそこに、すぐに核心を話し出す。そこに想いを感じ取っていたよ。溢れ出る想いを。皆、地元をどうやって再建して、どうやって生きていくか、それをそれぞれがそれぞれの意見で論じていた。俺はさ、はっきり言って聞くしか出来なかったよ。自分から何か言葉を発する事は出来なかった。今は聞くべき時だ、と。これほどまでに自分の地元の未来について前向きなヴィジョンを語る街、俺、今までの経験ではこの街の仲間が余裕で突き抜けてる。覚醒していると言っても良い。きっかけはあの一件があったから、あの忌まわしい災いがあったからというのが、本当に皮肉だ。でもね、俺、そこで感じたんだけど、そこにいた皆はね、起こってしまった事については責めたり怒ったりってノリではなかったんだよ。そんな負の感情に支配されずに、もっと先の未来を見据えていたんだ。俺にはそこが1番驚きだった。何て気高い人達なんだ。文字通り降ってきた絶望から、おそらく、確実に、多くの思考錯誤を何度も何度もこの3年間繰り返して、傷だらけでそこの境地にまで到達していたんだ。だからこそ!そういう人達のそういう気持ちに乗じてちゃんとケアしようとしねえ、誠意を持って向き合おうとしねえ、全ての当事者の非礼にはほとほと腹が立つけどね。でも、本当、そんな話は出なかった。前向きな時間がもったいないと言わんばかりに。本物の漢達に会ってきたよ。で、ライブ。たっぷり話は聞いた。今度は俺が話す番。皆も今度は聴く番だと解ってくれてる。昨年のいわきもそうだったけど、とにかく上がった。皆で上がったよ。最高に楽しかったぜ。皆のエネルギーのおかげで、悲しい話では終わらなかった。完全到達した。あんなに行けたの久々だ。ありがとうございました。ナオ、有太、学君、カズ、仲間の皆、何かが始まったと思ってます。あの夜の続きは絶対にある。皆の事を、考えを、俺は今回深く学べて、10年もの時が開いたけれど、本当に行って良かったと思っています。また会う日まで、どうかお元気で!
石巻。昨年の2年目の週末以来、きっちり1年。あの日と同じような日中の陽気、そして月の形。2年前と箱も同じ。ワンマン、これも同じ。でもね、俺等は、違いを見せたかったし、見たかったし、感じてほしかったし、感じたかったんだ。そのために、あえて全て同じシチュエーションを用意したようなものだよ。全ては動いている。前向きか後向きかの違いこそあれ、万物は同じ場所に留まる事はない。絶望や悲しみすらも。まだ3年。もう3年。さあライブを始めよう。昨年のライブを収めたDVDやPVの画面の中での事が現実で起こっているという不思議な感覚の中、言葉は深く浸透していった。1年前の初対面の時とはもう違う。あの夜を超えたからこその境地まで行けた。こっちはそう思ってます。大切な3年目の週末を我々に預けてくれた皆、本当に意味深い2時間でした。涙をこらえて「PRAYERS」を鳴らさせてもらいました。ありがとうございました。石巻の健闘と発展を、皆の人生の充実を今も祈ってます。たかお、お疲れさん!
東北東海岸、5月30日に大船渡、6月1日に宮古でのライブが決定してます!
東京。今年初。舞台は渋谷O-EAST。しかも対バンはこの日初の対面となるアルカラ、八十八ヶ所巡礼。この、恐れを知らない、膨張の只中にある若手の2組。いつの間にかこういうブッキングが多くなった。俺等より年上で、キャリアも実績も格上の人等とは最近は出会わなくなったね。それが何を意味するかとかは考えない。現実は動かせない。こういう対バンの方がヤマは高い。俺等より純粋に年の分、成長の余白に祝福された彼等と闘う方が道は険しい。そして俺等はそれを望んでもいる。意味、解るかな?俺も少しずつ解ってきたよ。当日は、3組の連れてきたお客さんが3分割された様相に見えたな。どの陣営にとってもホームではなかった。フェアな一夜だった。消耗も激しかったが、与えられた40分、40分で出来る事は全てやったよ。ありがとうございました。あの続きはシェルターで。終わってから、アルカラ、八十八ヶ所巡礼の皆と色々話した。勉強になる話もあり、爆笑あり。良い夜でした。高松さん、お疲れさまでした。
長野。1年ぶりの帰還。前回はライブハウスで、早い時間、短いライブだったので、とことんやれるこの日を楽しみにしてた。俺等の真価を知ってもらうんだ。着くと雨。まだこの辺は寒いね。SOUNDSCAPEへ。3月で閉店してしまうこのお店、最後に間に合って良かった。思えばこの夜が1番ホームっぽかったね。深夜のクラブ、前後もヒップホップが基礎となっていた。だからなのか。1時間45分、雑念に惑わされる事なく、体力的にもスイスイと出来た。不思議だった。
フロアーのノリ自体ヒップホップへの造詣や理解があるお客が多くて、それらを説明したり、知ってもらうのに表現を調整する必要がなかった。これは最近の俺等にとっては大きな解放だった。ヒップホップIQと時に呼ばれるそれらは、知らない人にとっては何の価値もないものかもしれない。でも、俺等はいつでもそこにこだわってきたからね。それが伝えたい全てではないけど、そういうライブはやっぱり楽しい。ありがとうございました。藤沢君、お疲れさまでした。
富山。ここも濃かった。ちょっと自分の中での大きなカルチャーショックでした。越中、立山連峰の麓に広がる福野という地。ここに息づいてきた、継承されてきた、おそらく1000年を超える文化の連なりというものに触れられた3日間でした。それは建築、食事、お酒、彫刻、画、祭り、祭りの山車、水を張る前の田んぼ、方言、寺、月、遠方からの客の迎え方やユーモア、所作の至る所に現れてました。北陸、凄いね。今更ながらです。でも、あのような、現在を完全に生きている、史跡とか骨董ではなく、ちゃんと使用されている、フルに機能している文化というもの、日本で初めて俺は触れたのかもしれない。京都のそれとは違う印象を受けた。土と生きる人と完全に合体しているその地の文化。TK君と俺等、そんな洗練を知る人々の前で、一生懸命表現してきた。招いてくれて、聴いてくれて、受け入れてくれて、本当にありがとうございました。また旅で行きたいな。堀内さん、ニコラ、館長、携わっていた皆さん、お疲れさまでした。
O.N.Oのソロアルバムが久々TBHRから出ます。詳しくは来月。
4月。冬があったから、寒さがあったから、陰があったからこその、この輝ける陽の季節。楽しもう。
ILL-B
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