INTERVIEW
BY YUKO ASANUMA

O.N.O
#3[旅とインスピレーション Pt.1]


旅とインスピレーション

● かなりエレクトロニックな曲が多かったですね。

そうだね。6割くらいはそんな感じ。

● そして、メロディアスでした。

うん。でもサンプリングでもさ、結局は印象に残るメロディーのループだよね?あとは、最初の話に戻るけど、自分の感情を表現しようと思ったら、それを伝えるのはメロディーでしょ。やっぱり印象に残るものを作りたいっていうか。

● ONOさんがメロディーを通して表現したい気持ちっていうものと、BOSSが書いてくるリリックっていうのは一致するものなんですか?

うん。一致するんだよね。あとは、どっちかがベースになるからさ。リリックが先にあったり、タイトルが先にあったり、曲が先にあったりして、それをベースに作っていくから。何か共通の出発点があるから、そこは合ってくるんじゃないかな。……うん、メロディーね。無限だからね。

● 全然楽器とかやったことなくても、ああいうものが出来るんですねぇ〜。

出来るんですね!でもね、もう1日中弾いてたよ。ビートに関してもまだいろいろあるんだけどさ、メロディーに関してはほんと、ずーっと弾いてたね。音色を作ったりとかさ。音色を作るとこから、メロディー作るとこまで。やっぱりメロディーって感情を入れ易いから、楽しいんだよねー!かなり狂ってたよ、一人で(笑)。「うわ〜、今のこれすごい!」とか言いながら、ノリノリでね!もうライブ!

● その、メロディーのインスピレーションはどこから来るんでしょう?やはり日々の生活ですか?

うん、多分それが一番大きいと思う。俺ね、ここ(スタジオ)にいたら音楽聴かないんだよ。ほぼ全く聴かない。自分の作ってる音しか鳴らないっていうか。他の音楽は、もうほとんどクラブでしか聴かない。あとは散歩しながらとか、どっか行くついでにiPodで聴くとか。でも、ほとんどがクラブなんだよね。そこが、みんな(普通の人)と確実に違うとこだわ。

● では、他の人の曲を聴いてヒントを得たりすることはない?

音楽を聴いて音楽を作ることはなくなった。音響的なもんだとか、音色だとか構造だとかは、すごい興味あるからそういう聴き方はするし、参考にすることもあるけど…… クラブではもう、踊りまくるしね(笑)。曲のインスピレーションにはならないかな。そういうんじゃなくなった、っていうか。だから、多分メロディーが出て来たりするのは、本当に普段の生活からだね。あとは旅だったりすることもあるかもしれないけど…… ある種のストレス発散かもしれない(笑)。

● それは、例えば散歩しているときでもふっと浮かぶものなんですか?それともスタジオで鍵盤と向かい合ったときに出てくるものなんですか?

んー、普段ふっと出てこられても音符に直せねえっていうか、触らないと出てこないね。でも、「あのときのあの感覚」を弾きながら探していく感じなんじゃないかな。「あんなことあったなぁ〜」みたいな(笑)。

● 弾いていると、逆に色んな感情を思い出すんですかね?

うん、多分。その方が多いと思うね。それを、弾くことによって引き出していくのが面白かったんじゃないかな。あとは、曲ってメロディーだけじゃないからさ。ビートとの絡みとかさ。ハコ(クラブ)で遊ぶとさ、それが8割くらい占めてくるわけじゃない?それが参考になったりね。

● 今回はエンジニア的な作業もかなりあったそうですね。

曲を組み立てたり、音符書いたりする作業の中に、エンジニア的なミックスの作業も入ってきちゃうんだよね。だから、そこは人に任せられない。っていうか、俺らのみたいな音楽って、そこも含めてなんじゃないの?って思うね。作曲家っていうのとはまた違うからさ。普通は曲書いて、組み立てて、エディットして……って順番にやっていくことが多いと思うんだけど、それがどの順番で来るかは分からないんだよね。だから、音響的なことも勉強しないとなんないし、メロディー作るために感性も磨いてないといけないから、もうビッチリだったね。

● 大変ですね。

大変ですよ!超大変ですよ!でも、それが身になるっていうかね、メキメキ力がついていくのが分かったね。「まだ弾ける、まだ弾ける」って。

● さっき、クラブでは踊りまくるって言ってましたけど、具体的にはどんな音楽で踊りまくってるんですか?

俺はね、わりと決まったイベントしか行かないんだよね。ブレイクビーツとか、あとテクノに関わる音楽とかさエレクトリックミュージックだね、DYEとかさ…… っていうかDYEをいつも聴きに行ってんだけどさ(笑)!DYEとJUN-GOLDがやってる「Shop」っていうパーティーと、プレシャスでやってる「Link」っていうのがあるんだけど、その二つが多いかな。

● ほとんどローカルのDJしか聴かないってことですか?外国のアーティストが来たら見に行ったりしないんですか?

外国のアーティストも聴きに行くよ。曲を聴きに行くというよりは、DJを聴きに行くことが多いね。テクノとか特にそうじゃない?部品の組み合わせでしょ?その人が選曲する一曲一曲を聴きに行くってわけじゃなくてさ。組み合わせっていうか、部品の合わせ方っていうかさ。

● それも曲作りに生かされたり?

そうそう、生かされますね。そういう部分は生かされる。刺激になるっていうか。やっぱり、何かしらインスピレーションを得るためにクラブに行くわけだから。家では聴かないしね。でも、その分DJの腕にかかってくる。

● 曲を聴いていても、最近のKompaktとか、ドイツのディープハウスやテックハウスの感じと共通するものを感じたんですけど。

ミニマル感みたいなものかな?それはあるかもしれないけど、あんまりそうなり過ぎないようにはしたんだよね。なるべく生楽器をフィーチャーして。


● セカンドは変則的なドラムが多かったですもんね。それでシンプルになった印象があったのかもしれません。

そうだねぇ。あんまりあからさまにトリッキーなビートは作らなかったね。変則的なドラムはブレイクのところまで取っておくっていうかね。節目節目にだけ、今までの変則技を出す、みたいなね。




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