ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2008.11

11月。今年もいよいよ差し迫ってきた。秋深し。我等もAUTUMN BRIGHTNESS TOUR'08の真っ只中。今月はそのツアーレポート中心になります。
その前にインフォメーションを。

今月は久々にTBHRから公式のリリースがあります。11月21日、O.N.Oの自身2枚目のソロアルバム「SIGNALOG」が発売になります。前作から
早5年。O.N.Oの音楽進化の旅、遂にここまで来たか、と思わせる作品になってます。去年から各地で再開していたソロでのMACHINE LIVEで、意識を
彼方へ飛ばされた人も多いと思いますが、今回はBPMも上げ目で、疾走感抜群のハードな、全てインストのダンスミュージックが鳴りまくってます。
しかしこれがまた、ブレイクビーツ、アブストラクト、エレクトロニカ、テクノなどといった特定のジャンルには安住しようがない、まさしく孤高の
音楽が詰まっています。O.N.Oビーツとしか言いようがない、ユニークでオリジナルな彼の世界に、はめられちゃってください。言葉を一切用いず、
しかし言葉以上に饒舌なドラムとベース、そしてその間を縫うようにして飛び交い、そして突き刺さってくるシンセ、それに絡みつくエフェクト。
今年の春、夏、博士のスタジオからひっきりなしに漏れ聴こえてきていた連夜の実験の成果、この電子世界の極地で繰り広げられるシグナルの狂宴を、
思索深まる秋、そしてさらに意識が内側に向かう冬、更にダンスフロアーで、更に更に来たる春、夏は野外でも!それぞれがっちり楽しんでください。

O.N.Oの自身のホームページでは、ただいまPVも公開中です。視聴も兼ねて寄ってください。(ここをクリック

店頭発売を前に、当サイト、オンラインショップで、11月10日から通販先行発売もします。上記のPVのDVDを通販のみの特典として付けます。
数量限定。よろしくです。


ここからは最前線からのレポートをお届けします。ツアー自体は10月8日からだったんで、それまでは事務仕事を連日こなす。ミックスCD、
「SEASONAL BEST:AUTUMN」の通販(沢山の注文ありがとうございました)、各店への卸し、そしてO.N.Oのアルバムの製作、宣伝、受注、発注。
その間にツアーのリハーサル。しばらく札幌を離れるので、やっておかなくてはならない仕事を全て終え、いよいよ本隊は長いツアーに出発。

札幌の若き、吐き出したいMC、NORTH SMOKE ING(以下ING)との17ラウンドに及ぶツアー。俺等自身にとっても未知の領域への旅が始まった。

記念すべき第1ラウンド、舞台は仙台。去年の夏のリリースパーティー以来のライブでした。何せここがツアー最初のライブということもあり
俺等も、そしてINGにも常に緊張感が漂っていた。新千歳空港で集合して、出陣!1時間弱ほどのフライトで着陸。そしてここからが今回の
ツアーを象徴してる動きの一つ。それはその街の人等が空港には迎えには来ていないということ。自分等で路線、料金調べて、ホテル、現場に
向かう。リハーサル後、物販の段取りを整えて、飯喰って、本番。タイムテーブルは全会場シンプル。まずはINGが突破口を開いて、俺らが
その夜を締める。それだけ。ツアー初日の勢いをそのままに、熱いライブになりました。セットも、連携も、MCも、このツアーのために新たに
用意してきた。仙台はその初披露の場。お客の熱いリアクション、早くもばっちりでした!雨の中、来てくれた皆、ありがとうございました。

翌日、総勢9人で1台のでかいレンタカー乗って、荷物で足の踏み場もないドライブで北へ、初上陸、盛岡へ。天気はまだ良くなかったけれど、
到着後、軽く会場の周りをぶらつく。今回、色々サポートしてくれてたディスクノート行ったり、じゃじゃ麺喰ったりしてるともう本番の時間。
19時半、まずはINGのDJ、MASAが独り、ステージに出て行く。そして15分後、MCの3人が出て行く。次の出番の俺等は固い握手で見送る。
本番を終え戻ってくる時にはちゃんと迎える。俺等の本番の時も全く逆のことが、全日程行われていた。いい感じだ。俺等とING。お互いがやる
べき事がある中、一つのチームのような結束感がある。ライブは、初めての街でのライブ独特のお客との距離感。そしてそれが徐々に110分
かけて近づいていくプロセス。そしてあの最後の美しき邂逅の瞬間。ステージからの景色、すばらしかったです。ありがとうございました。

その夜は、翌日が最初のオフって事で、皆でぶち上がって、盛岡の夜の街に繰り出しました。盛岡ジンギスカンなるものを喰ったり、その後に
夜の盛岡と言えばって事で行ってきましたよ、DJ BAR DAIへ。DJのシロウさんもライブにも来てくれてて、楽屋まで来てくれて話せて嬉しかった
です。そこで気づけばヘベレケに酔っ払ってホテルに戻る。最初の2連荘、思ったよりも心身共にくたくたで速攻寝ました。まだ2日目。

今ツアー最初の二日酔いの中、起床。荷物を積んで、次なる地、今回のツアー最北、青森に出発。去年の秋の弘前以来の津軽。行く途中、
車窓からはいい感じの紅葉が。そして岩木山の変わらぬ美しい姿。また来たぜー。着いた日はオフだったんで、洗濯をしたり、パソコンで
出来る仕事を済ます。青森在住の昔からの友人に案内してもらって、青森の食、酒をいただく。街は風が吹いてて寒かったけど、人は本当に
暖かい。青森、いつ来ても最高だぜ。その日はすぐに寝て、翌日、本番。夕方に現場入って、いつものようにリハ、物販設置後、まるかいで
っぱないラーメン喰って、ライブ。客席には函館からの友人の顔も見えた。弘前からも仲間が来てくれてる。後は正面からかますだけだ。
皆、熱い盛り上がり。こっちも上がりました。ありがとうございました。終演後、飲みながらしばらく皆と笑い、話す。極上の時間だった。

翌日、速攻起きて、一路南へ。青森から八戸、仙台と2回乗り換えて、宇都宮へ。狭い車内、乗り、降りの度に、皆で皆の荷物を担ぎ、
手を貸し、積み、降ろす。そりゃあ大変だけど、やらなきゃしょうがない。だから皆、黙々とやる。これぞライブツアーだぜ。宇都宮は
いつもの箱。プラネット。去年はあの忘れもしない灼熱ライブ。今ツアー唯一のクラブでのライブ。今回のツアーはPAのサニーさんが全ての
日程を帯同してくれている。だからどんな箱であろうとも、俺等は音のことはサニーさんを信頼して、ばっちりお客と向き合えるってわけだ。
ライブは相変わらずの熱さ。もう何回目かわからないほどやってる宇都宮でのライブ。毎回毎回、まじで力もらってます。皆の食らいついて
くる様な気持ちのおかげです。ありがとうございました。翌日は移動後、休み。居酒屋で打ち上げ。もちろん割り勘。基本。これぞツアー。

翌日は東京乗換えで浜松へ。ここも今ツアー2番目の初上陸の街。浜松と言えば!うなぎっしょ。って事でホテル着いて、まず洗濯してから
ネットであれこれ調べて喰ってきました。マジ旨。レコ屋にも行きました。ハイタイムスというお店。1997年当時、俺等が無名だった頃、
俺等のレコードを委託で置かせてもらっていたお店。その頃の話もしつつ、上の階のストックまで掘ってました。感謝。早々寝て、翌日、本番。
その日は大雨。秋の輝きツアーなのにここまではまるで梅雨ツアーの様相。そんな中集まってくれた皆、ありがとうございました。最前列で
飲み過ぎて暴れているお客もいたり、中々、皆の気持ちが揃わなかったけれど、後戻りは出来ない。俺等がどうやってこの夜を分け合いたいのか
誠心誠意伝えていくしかない。出来るベストは尽くした。俺は最後まで信じてた。皆が信じてくれてると。あれがTHA BLUE HERBのライブです。

翌朝、浜松はすっかり晴れ渡ってました。この日の移動も中々大変だった。2回の乗換えで次なる地、金沢へ。金沢も快晴。味わい深い
街を一人でぶらついて、何気に見つけた床屋に行って、何気に見つけた洋食屋入ってと、のんびり、それぞれが空き時間をリラックスして
過ごしてました。そろそろ皆、ツアーの生活の流れにも慣れてきた。この金沢も去年の秋、熱狂のライブの記憶がまだ俺等の脳裏に残る街。
しかし慢心こそが敵だ。しっかりリハーサルやって、本番に備える。この日は近隣の富山、長野、福井からも大勢のオーディエンス、仲間が
集まってくれた。ありがとうございました。熱く、間違いない一夜でした。終演後は打ち上げ。明日はオフって事で、今ツアー最初の焼肉。
で、その後はエポーチ行って、のんびりさせてもらって宿に戻る。この時点で全日程の3分の1終了。ふう。まだまだ始まったばかりだぜ。

快晴の中、金沢駅で弁当買い込み(すげえ品揃えだった)、サンダーバードで一気に京都へ。着いた日はオフ。オフはここです。と、一人
向かった先は南禅寺。この辺りの空気が俺は好き。ふらっと入った庭で、しばらくこれまでの道のりを振り返って、のんびりした時間を過ごし
その後は哲学の道へ。この道も、もう実は一人で何回も歩いた。で、銀閣寺の参道降りて、静寂から喧騒、木屋町へ。ポンで軽く飲んで、
一人龍門へ。ここの中華はまっじで究極。こんなにうまい中華は他に知らないです。明日もライブの打ち上げで行くってのに行ってしまう、この
はまりっぷり。味は間違いない。魅せられました、格の違い。で、帰って洗濯して、就寝。翌日は早く起きて、ダイとO.N.Oのアルバムの
フライヤーまき。SOFTの右近君のお店をスタートに、いろいろ回りました。で、会場入りしてリハ。続々集まる京都の友人達。気を許せる
悪友達。談笑してたら本番です。この日は、何かいつもの京都でのライブと違ったな。いつもはクラブの、深夜の、皆、テンション上がり
まくった時にライブをやってたんだけど、この日は皆、じーっくり聴いてくれてましたね。ありがとうございました。最後まで、ある意味、
酒とかの力が入ってくる隙間のない緊張感溢れる時間でした。騒ぐだけのパーティーではなかった。まさに言葉と音が支配していたライブ。
楽しかったです。公演後は、龍門行って、鴨川ふらついて、ポン行って、コンクリートバー行って、いつもの大騒ぎでした。その中にも、新たに
知り合った人との深い語りもあり、笑いあり、良い時間でした。でも少し飲みすぎたな。疲れもピークで、ほとんど帰りの事は憶えてねえ。

翌日は、エライ二日酔いやった。でも根性で起きて、ダイと大阪へ向かう。この日は仕事です。O.N.Oのアルバムのフライヤー、ポスターを
まきに心斎橋へ。大阪の心強い仲間、ジンに車出してもらって、色々案内してもらったおかげでスムーズに終えることが出来た。感謝っす。

で、夜8時には京都戻って、その日はもうすぐ休みました。翌日からは四国シリーズ。まっじで道は果てしない。終わりはまだ全然見えねえ。

この日からはレンタカー移動。手慣れた感じで荷物積み込んで、高松へ向かう。途中、淡路島を経て、快晴の元のドライブ。ここら辺、体調
やばくなってた。喉も・・・。遂に恐れてたことが。高松着いてうどん喰って、リハさくっとやって、ホテルで休んでました。俺等にとっては
8番目の街だけれど、高松のオーディエンスにとっては記念すべき最初の夜。無論、落とすわけにはいかねえ。しっかり体力温存してステージへ。
始まってしまえば、いつもの大立ち回り。ぶっちぎりで駆け抜けた。俺等を信じて集まってくれたオーディエンスの皆、君等が高松では最初の
友人達です。それが君等で本当に良かったと思ってます。ありがとうございました。終わってからは、明日以降の日程も詰まってるんで、一人
宿に速攻帰って、かぜ薬飲んで寝ました。翌朝はルミコおばあちゃんとこで、最高に旨いうどん喰って、高知へ。体調もギリギリ持ち直した。

そして高知着。快晴。夏日。ずっと帯同して撮影してくれてる説明無用FESNの森ちゃんと高知に来てた中野クルーのもっさんと桂浜へ。坂本
先輩の膝元、インタビューを撮って、まっちゃんとチル。街に戻って、飯。疲労貯まりまくってるんで、ここは!って事で猪を喰う。鰹のたたきも
喰う。で、すぐ寝る。翌朝も快晴、夏日。宿でチャリ借りて街をぶらぶら。雰囲気の良い街だ。天気もあいまって、住みたくなってくる。で、
現場へ。リハ後、近くの公園で休んでたら、蚊に刺された。10月中旬で。驚いた。本番、ぶち上がり!高知のオーディエンス、熱かった。
数々の強者を輩出してきた土佐、俺等も気合入ってた。ここも初上陸。これからもよろしく。ありがとうございました。公演後、後片付けして
宿の近くの屋台へ。ここの激ウマの餃子喰って、飲んで、と、終始上がりっぱなしな一夜でした。そして翌朝、再び北へ。次なる街、松山へ。

松山は3回目。天気が崩れてきてた。INGのSAUNAが40度の熱出して、皆もいよいよ疲労困憊。ツアーも来るとこまで来たって感じだ。皆、
まっじで一杯一杯。前半戦も残る所、ここ松山と広島。第10ラウンド。越えられない山はねえ。挑んでいくしか、前にしか道はない。正直、
松山がここまでで一番お客の数が少なかった。でもね、そこで、底で言ったけど、ここまで来ると量じゃないんだ。それぞれが、一歩も引かずに
俺等の言葉と音に向き合っている。全員の顔が見える。あの場にいた人しか、つまり我々しか知らない、究極にドシリアスな空間になっていた。
そしてあのエンディングの輝き。まさにBRIGHTNESS。本当に、雨の中、それぞれ貴重な時間を割いて集まってくれて、最後まで聴いていてくれて
ありがとうございました。あの夜を乗り越えたのは俺等にとっても、INGにとっても、このツアーにとっても大きい。マジで意味深い夜だった。

そして遂に前半戦ラストの街へ。瀬戸内海をフェリーで渡って(最高に気持ちが良かった)、路面電車(!)で広島へ。もう移動もさ、陸、
海、空、全て使ってってますよ。ここまでの道のり、長いなんてもんじゃなかった。両手あいてるやつなんて一人もいない。皆、肉体的にも
精神的にもいろんなモノを背負っての道のり。ただライブをするだけではない、そんなお気楽な営業じゃない。これは!いつでもやめられる
お遊びじゃない。語りつくせない夜を幾つも幾つも乗り越えてここまでやってきた。皆、無傷じゃないが、無事だ。さあ、ライブかまそうぜ!
本番は・・・最高でした。簡単に言葉に出来ない、長い、長い、俺等と広島との歴史が集約された極上の瞬間、瞬間が流れていった。昔から
欠かさず来てくれてる仲間も、その日初めてあの場に居合わせた友人も、皆、ステージから見えた。良い顔してたよ。ありがとうございました。

ふう。ここで、この夜で長いツアー前半戦は終了。一度、ひっさびさに札幌に戻る。東京から参戦の撮影の森ちゃん、PAのサニーさん、そして
ツアーマネージャーの東田君とも、4日だけど、しばしの別れ。皆、ここまでばっちりの仕事だった。八昌行って、前半戦の打ち上げ。激ウマの
鉄板焼きの数々とお好み焼きを喰らい、大いに飲み、バカ話し、ぎゃはははと笑い、前半戦、怒涛の11連戦を最高の形で終了した。ふう。

そして福岡から始まる九州シリーズ、そしてツアーファイナルのリキッドルームへ向けて、それぞれが地元に戻り、遊び、休み、準備をする。

今は10月25日、軽い二日酔い。広島から札幌への機内。11月更新分でのレポートはここまで。後半戦のレポートは12月更新分で。

後、残すのは6ラウンド。これを読んでくれてる11月頭、もう九州シリーズは始まってるね。リキッドルームは前売り券がソールドアウト!
当日券、多めに出します。可能な限り入れます。どん詰まり、17ラウンド目、我々の、この秋の、最後の、最高の輝きを、見届けてくれ!

そして11月はもう1回、東京でライブあります。時は11月29日。場所は両国国技館(!)。あり得ない空間で強者中の強者達との対バン。
楽しもう。

ここまで読んでくれて感謝。皆、健康で。
ILL-B