ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2009.09
9月。夏が賑やかに過ぎていったね。でもまだまだ暑いとこもあるんだろうね。こっちは一気に秋に入っていく。皆、夏を楽しんだ?
8月はいつもの様にライブの準備、移動、ライブ、帰還、で、また次のライブの準備って感じの毎日。STRAIGHT DAYSはもうずっと続いてる。
あとはレコーディングやね。客演3連発、一気に録りました。それぞれ違う個性を持った音楽家に誘ってもらって、かなり時間はタイトだったけど
全て納得いく形で終わらせることができました。共演者その1、まずは〜クラムボン!彼等とは共通の知り合いが多く、俺もよくその名を耳にして
いた。久々のHIP HOP以外のフィールドからのオファー、かなーりワクワクしてました。俺は言葉、O.N.Oはドラムを任され、彼等もそれぞれの
担当をやり遂げ、そんな職人が5人集まり完成に向かう、お互いの専門分野を尊重しながらの作業はとても楽しかったです。ゆっくりと心の距離が
近づいていって、少しずつ融合していって、遂に、力強くも儚い1曲が完成しました。発売は11月です。共演者その2、SEEDAです。彼とも
1曲録りました。再びのオファー、俺には光栄でした。前に「MIC STORY」創ってから早2年。その間の彼の活躍、飛躍を北海道からしっかり
俺は見てました。恐らく彼の周りの状況、生活はずいぶん変わったことと思う。そしてそれは彼が自分の手で変えてきたんだ。そして挑んだ新作。
自信に満ちたSEEDAとの再会はマジで上がった。ラップできる喜びを感じれた極上のビートの上でのマイクリレー。再考を重ね最高へ手が届いた。
この曲の発売は未だ未定。そして俺は名古屋に飛びました。そこで俺を待っていたのは共演者その3、GANXTA CUE。初めて名古屋でライブを
やってから、その街のHIP HOPに、そして多くの友人に出会ってからもう長い時間が過ぎてた。初となる名古屋のMCとの共演。俺は、ある意味
この時をずっと待ってた。きっちり筋を通したいと思ってた。その時を与えてくれたCUEには本当に感謝してたし、心意気に応えたいと思ってた。
ハードな曲になったぜ。発売はこれも11月。短かい滞在だったが墓参りにも行けたし、色々話した。CUE、プロジェクトの成功を祈ってる。
それぞれ発売に関して色んな方向からインフォメーションが届くと思います。お楽しみに。
今月もステージ最前線は燃えていたよ。
7月31日、東京。この日は俺ライブ2本。まずは渋谷O-EASTでDJ BAKUのアルバム「12JAPS」のリリースパーティー。アルバムに参加した
MCは無論、HIP HOPに携わる人間達がたくさん集まるはず。俺の出番は最後の1曲。その1曲で自分自身をリプレゼントしなくちゃならねえ。
時間は短いが大事な仕事だ。夕方現場に着いてすぐリハ。その後一旦中野に戻って本番に備え、再び渋谷へ。お客もばっちり入ってる。ちょうど
MSCのライブ中。控え室には残された、これから出番のMCがいた。プロの会話。自分の仕事をやりに来てる。出番。一瞬で駆け抜ける5分強。
B-BOY達、上がってたね。短かったがマジで楽しかったぜ。BAKUお疲れさん!で、ステージを去り、そのまま外へ、迎えの車に乗り込み中野へ。
この日は中野のホーム、我等がFATBROSの14周年パーティー。理屈ぬきに、まずはがっつり盛り上げるのが俺等の役目だ。任せとけ。DYEと
合流してリハ。で、スニッカーズ喰ってすぐに本番。そりゃあ覚悟はしていたが、熱く、暑かった。怒涛の勢いで押し寄せるB-BOY、スケーター。
俺等も魂焦がして受け止め、はね返す。50分という俺等のライブにしては短い時間だったが、ぎりっぎりまで消耗した。いやあマジで日頃から
ちゃんと鍛えてねえと乗り越えられなかっただろうな。ったく楽しかった。ありがとうございました。ライブ後は中野の仲間、そして日本中から
集まった仲間と飲みまくった。いや、ヤバいくらい飲みすぎた。そこら中に笑いがあふれる夜だった。萩原さん、おめでとう。また遊ぼうぜ。
写真もTOUR REPORTに沢山アップしてます。いつも俺等のライブを撮ってくれてるカメラマンが真夜中、現場まで来てくれて、あの魂の会話を
しっかり残してくれてました。中野での写真はリハと終演直後の1枚がHAYACHIN、ライブ本編はSUSIEの撮影です。
翌日、起きた瞬間、こりゃあちょっと今日無理かもなってくらい二日酔い。っていうかさ、まだ全然酔ってる。そうだ確かアレキサンダー・リー・
チャンと何故かショットかましてたな。やめときゃよかった。でももう遅せえ。ぐらんぐらんしてる。やべえな。ここが2009年前半の山場だ。
まずは体を起こし、移動だな。中野から東京駅へ、そして新幹線で山形へ。その間も全然回復しねえ。山形といえばのサンディニスタに着きリハ。
こうなったらこれしかない。リハで汗をかき、酒を抜く!ふう、これでちょっとは楽になったな。飯はステーキいただいて、本番。もう山形で
ライブをするのは何回目だ?って数えてたけど、ついに数え切れなかった。幾つもの夜をこの街でも過ごしてきた。いつかの夜、来てくれてもう
それっきりの人もいるだろう。全て観てくれてる人も、今夜初めて観る人もいるだろう。今夜は今までの現状を維持するためにあるんじゃない。
いつだってその夜を、今夜を決定的な夜にするんだ。体調は依然として冴えなかったが、上がってきてた。本番。長くも短い1時間40分だった。
俺は前半の盛り上がりの後くらいから既に感じ始めていた。今夜はキテるかも、と。少しずつ俺等と山形の間にあった境界線みたいなのが溶けて
いく。そしてあのエンディング。俺の中の手ごたえはとっくに確信に変わっていた。来て良かった。マジで。山形と俺等も遂に、遂に極まった。
ありがとうございました。シリアスで、でも冷めてはいなく、心の深い所で熱く繋がっていた。あれは最高の夜だった。本当に行って良かった。
そして2009年度夏に出る唯一の巨大フェス、サマーソニックがやってきた。出演者も海外勢、国内勢、どこを見ても凄腕揃い。ステージも
でかい!俺等を目当てに来てくれるって人もありがたいことに、そりゃあ少しはいてくれるかもしれないけど、ほとんどはそうじゃない。皆、
自分の心に届く音楽を探してる。探せる。無数といっていいくらいの出演者の中から。しかもそれが3日間。つまり、だ。そこそこのライブじゃ
全くお客の記憶には残らないってことだ。俺等がやらなくてもきっと誰かがやる。代わりはいくらでもいる。埋没したくはないのなら、参加賞で
終わりたくないのなら、自信、努力、経験、運、それら全てを動員して挑まなくてはならない。俺等は2000年の夏、あの苗場でのライブ以来
ずっとそういう気持ちで挑み、ぶちかまし、生き残ってきた。よく言うが、良いか悪いかの2つしかない。間はない。俺等はいらない。この夜を
何ヶ月も前から片時も忘れずに備えてきた。そしてあの心境、「やるべき事はやった。あとはなるようになる。」ってとこまで登り切ってから
羽田空港にやって来た。俺等の出番は深夜枠、1:50。幕張メッセにつく頃にはもう暗くなってたな。こういうどでかいイベントの楽しみは
他の出演者を観ることなんだけど、やっぱりそれは自分の仕事を終えてからってことでホテルで待機。で、本番。目の前に広がる人、人、人、人。
あれ一体何人いたんだろう?7000人くらいはいたかな?やってる俺等的にはもうステージに出た時点で腹はくくってる。どこまで行ったって
1対1だ。そんな気概でお客の心にぐぐっと近づいていく。歓声と静寂を何度も繰り返し、持ち時間50分の最後の最後、しっかりと間合いを計り
エネルギーを溜め込んで、パッと散らすことが出来た。やったぜ!終わって気になった点は2つだけ。その2つも、最早やってる俺しか知らない。
つまり98%。限りなく100%に近い。これほど自分等的に完璧に近いライブはいつ以来だ?去年のスタジオコースト?2007年ライジング?
今年7月の名古屋クアトロ?とにかく、出来るベストは尽くした。後はそこで、そう、底で言った通り、お客の心の中のものだ、あの時間は。
ありがとうございました。この日に誘ってくれた人に、舞台監督に、スタッフさんに、そしてあの時間までいてくれたオーディエンスに感謝です。
翌日、昼過ぎに起きてホテルのカーテンを開けると眼下にはマリンスタジアムが。そしてあり得ない数のサマーソニック2日目のお客が。もう
始まってる。昨日は最高だった。次の街に向かおう。そのまま羽田空港へ、そして一気に本州最南端、薩摩、鹿児島へ。去年の秋のツアー以来、
4回目。こーすけの出迎えを受け、時間もないのでそのまま会場へ。着くとすぐにリハ。で、舞台裏で仲間が買ってきてくれたカレーを喰って
一息ついたらもう本番。この日はクラブ営業じゃなくライブハウス。先発のダイが雷を鳴らし、ステージに出て行くと皆、超真剣な眼差しで
こっちを見てる。よく集まってくれた。さあ始めるぜ。この日はワンマン。全て俺等で始まり、俺等で終わる。1時間40分の間、1人も酒を
取りに後ろのカウンターには行かなかった。俺等側からはお客はよく見える。皆、最後までがっつり聴いててくれた。ありがとうございました。
本番後、やっとチェックインして、打ち上げへ。仲間のやってる店で黒豚を腹一杯いただいた。さすがに連戦で疲れてたんでこの日はすぐに寝た。
翌日、鹿児島オフ。昼過ぎに起きて1人で色々回った。しっかし暑いのな。あれさ、大変だね。北海道から行ってるから大げさにそう思うのかな。
あれが普通?俺あたり1日でバテちまったよ。夕方にダイや地元の仲間と合流して、また街歩き。で飲んでたんだけど、ダメだ。昼間の暑さに
やられてて1人すぐにホテル戻って寝てました。ダイ達はそのまま飲み続けてたらしいね。こーすけ、今回も本当に世話になった。ありがとう。
この鹿児島の時点で2009年の上半期のライブは終了しました。各街、各箱、来てくれて聴いてくれた皆、本当にありがとうございました。
あと色々ケアしてくれた全ての街の仲間の皆、ごちそうさまでした。ありがとうございました。
9月3日、先月のアナウンス通りO.N.Oの自身初となるライブアルバム「Machine Livelog」(CD)が発売になります。8月24日からの通販先行
発売も、予定数を売り切ることができました。ありがとう。いよいよ店頭発売です。北の博士の異常な愛情に育てられた完全オリジナル、アメリカ
にもヨーロッパにもアフリカにもどこにも似ていない、O.N.Oのスタジオからしか、彼の指からしか産まれない、あの音達が、聴いてすぐにそれと
解る、解るやつにはすぐに解る、O.N.O印のドラムとベースが皆を彼方にトバそうとその時を待ってます。
CD発売と同時にデトロイトの大ボスの1人、MAD MIKEさんのリミックスを収録した12インチアナログ「SIGNA EP」も発売です。
更にO.N.Oにとっては珍しい「チル」をコンセプトにしたアルバム「SLOW DAY OVER HERE」も18日にRambling RECORDSから発売です。
それぞれ自分の気分、タイミングに合った音楽を選んでくれればと思います。楽しんでください。
このマンスリーレポート、10月、11月は休みます。このホームページ自体は更新はします。ダイのコーナーとかは通常通りです。この場所への
復帰は12月1日。もう冬になってるね。11月末以降、年末もライブたくさん入ってます。ライブスケジュールの更新は10月1日。よろしく。
健康で。
ILL-B