ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2015.12
12月。
こっちはがっつり雪降って、一気に冬景色です。
さて、始まります。THA BLUE HERB「tha BOSS / IN THE NAME OF HIPHOP」リリースツアー。スケジュールはこちらから。面と向かっての魂の会話です。
今月のトップ画像もその瞬間ですが、昨年の12月26日のリキッドルームでの般若とのツーマンライブでキャップを客席に投げ入れたのを最後に、THA BLUE
HERBはライブを休止しておりましたが、いよいよ始めます。ここで、このタイミングで言いたい事は多くはないです。それに参加してほしいって事だけです。
巷ではMCバトルが盛り上がっております。それについてネガティブな印象はないです。その場で、短く限られた一瞬に言葉を吐く、熱いっす。それが多くの人の
気持ちを動かす事も理解出来ます。ただ、これから1ヶ月、俺がやっていく事とは違う。どっちが良いとか悪いとかじゃなくてね。どっちが良いとか悪いとかを
決められるのはお客だ。決めたければ決めてくれ。俺はMCバトルも作品もライブも全てが一流という、万能なラッパーではない。俺は1小節に込められた言葉、
ラップすればそれこそ1秒ほどの言葉に、それを歌詞とするまでに、フリースタイルで言葉を生み出しているラッパーからみたら、それはもう馬鹿みたいに長い
時間をかけている。文字通り、念入りってやつです。でも、俺のウリはそこだ。俺にはそれしか出来ない。そうやって見つけてきた言葉を無数に繋いだ結果が1曲
です。そしてそれら1曲ずつの集合体がアルバムです。そしてそれらアルバム、シングル、客演、場所はどこであれ、残してきた曲達をお客の目の前で鳴らすのが
ライブという事になります。つまり、結果的にお客に向かって鳴らす目的のために言葉を生む。対戦相手に勝つために即興で言葉を生むわけではない。今の俺は。
対戦相手の弱点やミスを逃さず、それを自分の強みに変えて、言葉や直感の優位を相手やお客に知ってもらい自分の価値を高めていく。昔の俺にはそれに近い曲も
なかったわけではありません。しかし、もうそれだけではない。俺がラップしていく題材とは、生と死の間にある全ての事象です。勝ちだけを求める競い合いでは
負けは歌えない。負けには多くの歌われるべき教訓が含まれている。負けるが勝ちって解る?勝ちと負けの間の全ての事象と言っても良いかもしれない。俺は
それらを言葉で体現していくのだ。体現。ありとあらゆる例えや声の強弱や押しと引きを駆使して、韻を踏んでリズムを生み、全身の身振り手振りや目つきで、
透明な言葉にそのものの意味を越える何かを想起させて、今まで生きてきた経験、思い出を引っ張り出して突っついて、最後の最後に、まだ見ぬ希望を一刹那でも
居合わせたお客の心に残せるか、そういうライブを俺はやっていきたいと思い、やっていくための準備をして、12ラウンドをこれから1ヶ月かけてやっていく。
俺とダイの2人で出来る準備は完了しました。でも我々がやろうとしているのは生ものとしてのライブ。何度2人だけのスタジオで繰り返そうとも、実際に札幌を
離れ、箱で、ステージで、その日のお客の前にある空気を吸って吐き出すものなので、札幌のスタジオにいる時点では完成は、ない。日本中の現場で創っていく。
あなたも、創りに来てほしい。反応したりしなかったり、リアクションしたりしなかったり、俺等に考えさせてください。どうすれば完璧なライブになるか、を。
正直、ツアーが始まる直前になって、山下達郎とフランソワ・ケヴォーキアンという巨人達(敬称略)のライブを観てしまい、そのあまりの完成度に、今からゼロ
から自分などに何が出来るのか、そもそも何かを為す必要や余地などあるのか、と思ってしまいがちになりますが、上には上がいるというのはある意味、俺自身の
音楽観でもあるので、このタイミングで観れた事はきっと何かの形で俺の中から出てくるはずで、でもそれを待っててもしょうがないので、ここは前に進みます。
福島、北見、京都、東京以外は、高校生以下は当日1,500円で入場可です。年齢確認があります。20年以上先のヒップホップの生き様を覗きたいなら歓迎するぜ。
各会場で販売するTシャツ作りました。デザインはこちら。サイズはXL、L、M、レディースM。税込4,000円です。ただ、急な作業だったので仙台と福島には間に
合いません…。ごめんなさい!恐らくですが年明けに通販も若干数やる予定です。よろしくお願いします。
今年もあと1ヶ月ですね。昨年の12月に発売した、般若とgrooveman Spotと一緒に創った「NEW YEAR'S DAY」からtha BOSS名義の俺のソロプロジェクトは
始まったんだ。「NEW YEAR'S DAY」のイントロで「出来なかった事は来年だ」と言っていた通り、今年は色々と新しく挑戦をする機会を自ら作って、そこに
全ての時間と労力を注いで生きてきた。振り返ったら「IN THE NAME OF HIPHOP」が出来上がっていた。あとは同じイントロの「来年の今頃は笑ってるさ」を
現実にするため、ライブを一所懸命にやるのみ。告知も各地の仲間が大勢手伝ってくれた。ありがとう。昔みたいに楽勝で完売なんてあり得ない。実際、俺等は
流行の音楽じゃないし、音楽そのもの以外の力や見え方とかを使ってお客を集めていくタイプじゃない。俺等にも、何か得体の知れない追い風が吹いていた時は
あった。自分等の器を大きく上回るお客が集まってきた時代はあった。それは、知ってはいたが、実力以上の何かの力だ。今は違う。俺は冷静だ。全ての数字を
把握している。だからこそ、それでも何か価値がそこにある事を信じて来てくれる人、俺は本気で応える。綺麗事じゃなく、そこに応える以外に俺などが生きて
いく道はないと思っている。小金が欲しい戯れ言か、「俺の時代は過去か」、独りででも、仲間とでも、愛する人とでも観に来てみ。俺等のピークは今だぜ〜。
邂逅を、再会を、今年を生き抜いた事を、祝い、喜び、讃え、楽しみましょう!
では、ステージで待ってます。会えない人も、残り1ヶ月、輝けるNEW YEAR'S DAYを迎えるべく、お互いベストを尽くそう。
ILL-B